マクロン大統領演説 カブール陥落「歴史的岐路」 仏人の最終退避開始

2021.08.17

マクロン大統領演説 カブール陥落「歴史的岐路」

8月17日(火)、アフガニスタンの首都カブールの陥落を受け、大統領別荘ブレガンソン砦(Fort de Brégançon)で休暇中のマクロン大統領は16日(日)のテレビ演説で、テロや移民問題に関しEU諸国および同盟国との一致団結した対応を呼びかけました。16日、フランスからの軍用機が2機到着し、在アフガニスタンの仏人の退避が開始されています。

 

「歴史的岐路」に立たされたアフガニスタン問題

マクロン大統領はアフガニスタン情勢を巡って、フランス国民だけでなく「歴史のある深い友好関係で結ばれている」アフガニスタン国民にも向けて、「(タリバン復権は)国際社会においても欧州、フランスにとっても深刻な問題だ」と述べました。

 

フランス人とフランスのために働いた人の退避最優先

フランスは7月中にすでに625人の現地職員らを避難させていますが、現在もまだ残っている数十人の退避を進めています。フランスから軍用機2機と軍特殊部隊を派遣しています。

部隊はカブール空港での安全確保を行い、軍用機はカブールから一旦アラブ首長国連合のアブダビにあるアル・ダフラ(Al Dhafra)空軍基地に向かいます。フランス本土へはそこから旅客機に乗り換えて出発します。

大統領は演説の中で、フランス人の退避後、フランスのために働いた数百人のアフガニスタン人(通訳、料理人など)およびジャーナリストや人権擁護団体の活動家やアーティストなど「自由のために戦った」人を「可能な限りフランスに迎えい入れる」と述べています。

 

テロと不法移民の流入、【2015年シリア大量難民の悪夢】警戒

アフガニスタン政情不安が欧州においてテロや不法移民流入問題を引き起こす可能性について、マクロン大統領は国際社会の一員として「統制とバランスのとれた枠組みの中で」フランスとしての義務を果たすと述べています。

大統領はさらに、アフガニスタンを再びテロリストの「聖域」にしないためにも、(アフガニスタンの政情安定には)政治的かつ外交手段を用い、「国連安全保障理事会が責任を持って一致団結した対策をとるべきだ」と国際社会の足並みを揃えた対策の必要性を強く訴えました。

その中でフランスは「EUおよび同盟国と一致団結し、徹底的にイスラム原理主義によるテロや不法移民の流入を阻止する」ことで世界平和を維持すると述べています。

マクロン大統領は既に英ジョンソン首相と電話で「テロと不法移民対策」で協力し合うことを確認しており、「すぐに対策を取り始める」と宣言しました。

 

「いつか実を結ぶはずだった」仏軍のアフガニスタン派兵

フランス軍アフガニスタン派兵は、2001年シラク大統領が「正義のため」「いつの日か民主主義の名の下に実を結ぶ」という位置付けで推進し、その後2011年にはサルコジ大統領が、2014年にはオランド大統領がそれぞれ中断しています。

マクロン大統領は今回の演説の中で「世界中どこの国でも安定し信用できる政権を置くプロセスは最優先事項だ。その原則に基づいて我々はアフガニスタンに派兵していた」とフランスが現在までに取った政策を正当化し、アフガニスタンで戦ったフランス人兵士、命を落とした90人のフランス兵や負傷兵およびその家族に敬意を表しました。

アフガニスタン民間人女性の人権確保に支援表明

また、「我々フランス人も何世紀にもわたって戦い、人道的な国家を作る中で過ちを繰り返し、その度にまた一からやり直すという行為を繰り返してきた」と、これからアフガニスタン国民に降りかかる困難に深い同情を示しています。

特に女性に対しては、「安全で自由で人としての尊厳を約束された生活を送る権利がある」と、支援を続ける意志を表明しています。

執筆:マダム・カトウ

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