フランス 2022大統領選の前哨戦の地方統一選挙、与党が大敗 棄権率は過去最高

2021.07.01
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2021 フランス 選挙

6月27日(日)、フランスでは統一地方選の第二回投開票が行われました。

マクロン大統領率いる与党の共和国前進(La République en marche, LREM)はすべての選挙区で敗北し、旧二大政党である中道右派の共和党(Les Républicains)が躍進しました。

しかし、今回の棄権率が65.7%に達したことが、議論を呼んでいます。

 

2022大統領選の前哨戦も、棄権率は過去最高

今回の地方選挙は、来年に予定された大統領選挙の前哨戦に位置づけられる選挙で、再選を狙うマクロン大統領にとっては重要な一戦です。

しかし結果を見ると、すべての地域圏において与党の共和国前進が議席を獲得できず、再選に向けて厳しい状況が明らかになりました。

また、これも前回選挙で勢力を増した、マリーヌ・ルペン(Marine Le Pen)氏率いる国民連合(Rassemblement National:RN)も議席を獲得できずに終わりました。

共和党の躍進

13ある地域圏のうち、7つの地域圏で議席を獲得したのが、「旧」二大政党の一つである中道右派の共和党(Les Républicains)です。パリおよび近郊のイル=ド=フランス地域圏(Île-de-France)でも、共和党のヴァレリー・ペクレス氏(Valérie Pécrese)が45,92%の得票率で勝利しました。

他の共和党代表の顔ぶれを見ると、大統領候補の指名権獲得を目指すとされる代表がそろっています。

例えば北部のオ=ドゥ=フランス(Hauts-de-France)のグザビエ・ベルトラン(Xavier Bertrand)氏は、共和党サルコジ( Nicolas Sarkozy)政権中の第3次フィヨン内閣(2010-2012)で労働・雇用・厚生大臣を努めた有力者です。

また、南部オーヴェルニュ・ローヌ・アルプ地方(Auvergne-Rhône-Alpes)のローラン・ヴォキエ(Laurent Wauquiez)氏は共和党の党首を努めた政治家で(2017-2019)、サルコジ氏の先輩にあたります。

このように、今回の地方選では、すでに次期大統領選に向けた戦いが始まっていたようです。

 

棄権率の高さに懸念

大統領選を控える重要な選挙であったにも関わらず、今回の選挙では棄権率が過去最高でした。

イプソス(Ipsos)グループのSopra Steriaによる世論調査によると、棄権率は第一回で66,7%、第二回でも65,7%を記録しています。地域圏によっては棄権率が70%であり(東部グラン・エスト(Grand Est))、コルシカ島を除けばすべての地域圏で棄権率が60%を超えました。

この傾向は数年来、続いています。地方選(第二回)の棄権率は、2004年の34,3%、2010年の48,8%、そして2015年の41,6%と年々高くなっています。

また、欧州議会選でも棄権率が2009年は59,4%、2014年は57,6%、また、2020年の市町村議会選挙でも棄権率58,4%と、国民の関心の薄さは他の選挙にも共通しています。

棄権のわけは?

棄権する理由について、ル・フィガロ(Le Figaro)紙とフランスアンフォ(Franceinfo)は、主にフランス国民の政治への「不信」あるいは「無関心」の表れではないかと分析しています。

有権者の中には、「投票してもムダ」、「提示されている政策案がふさわしくない」、「政治全般に興味がない」との意見があり、今回のような棄権率の高さにつながったと見られています。

また、一部の有権者からは、「選挙に必要な情報を得ることができなかった」として、選挙の日程や候補者のリスト、投票方法などに関する続きの面でも改善点があると指摘がありました。

改善策は

このような状況は、市民と政界の乖離や、民主主義の危機の表れだとして、さまざまな改善策が議論されています。

たとえばインターネット投票は、在外フランス人に対して一部の選挙で導入されているシステムです。近年は、2014年の領事評議員選挙で実施されていますが、地方選挙のような大きな選挙については、エストニアを除いて世界でもあまり事例がありません。

郵便投票(vote postal/ vote par correspondance)は、フランスでは1975年に廃止された制度ですが、コロナ対策として検討されてきました。アメリカ、ドイツやスイスの一部の州では、全有権者が利用することのできる制度です。

また、投票を何らかの形で義務化することも提案されています。ベルギーでは義務投票制を採用しており、投票しなければ罰金が課されます。投票権が市民の自由に行使できる「権利」なのか、投票は市民の「義務」なのか、議論の分かれ目です。

執筆あお

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