フランス政府 看護師のワクチン接種義務化を検討 コロナ第4波懸念

2021.07.02

フランス介護士にワクチン接種義務検討

7月2日(金)、フランス政府が看護師や介護士に対してワクチン接種の義務化を検討中であることがフランスの大手ラジオ局フランス・アンフォ(France Info)により明らかにされました。カステックス首相(Jean Castex)は、義務化についての議論を今夏にも行うことを提案する書面を国会議員に送りました。

 

ワクチン未接種の介護士が「多すぎる」

保険省保健総局のワクチン接種担当評議会長エリザベート・ブヴェ(Elisabeth Bouvet)は、出演したラジオ番組でインタビューに答え、看護師や介護士のワクチン接種を義務化する方向で検討していると明らかにしました。

同氏は「看護師や介護士が患者や入居者に感染させるリスクを回避できれば、この秋から間違いなく来るであろう感染拡大をある程度阻止できる」と考えています。

なぜなら、看護師や医療介護施設で働く人たちの中で、未だにワクチンを接種していない人の数が多すぎるからです。

接種率は「施設によりまちまち」で、大半が接種しているところもあれば、ほとんどの職員が接種していないところもあります。

施設の責任者は介護士への「ワクチン接種を促すための努力を最大限行わなければなりませんが、努力が足りていないかもしれません」、それでも「今後数週間のあいだに介護士への接種が大幅に増えない様であれば、別の方法を考えるしかありません。つまり義務化です」と、義務化を検討する必要性を説明しています。

 

「介護士の70%が接種」では不十分

ブヴェ氏は、「私の手元にある情報によると、介護士の70%が少なくとも1回の接種を終えていますが、この数字では不十分です」と懸念、医療関係者の中でも職種により接種に対する姿勢が違い、例えば、医師の接種率は高いと述べています。

これは過去のインフルエンザのワクチン接種データから判明していることですが、大体30%〜50%の人が「ワクチンを摂取したくない」人達で、新型コロナのワクチン接種についてもほぼ同じ様な傾向になっています。

「接種しないこと」で「不信感」や「不満」を表明

ワクチンを接種しない理由は、「副作用が怖い」や「自分は感染しないし、感染源ではない」という根拠のない自信、更には施設の経営陣や当局への不信感、政府への不信感」などもあります。また、「接種しないことで、労働条件などの不満を表明」する手段としている人もいるようです。

 

9月、10月からの感染再拡大阻止急務

WHO(世界保健機関)によると、過去1週間で欧州内の新規感染者数は10%上昇しています。

変異種デルタ株の登場で、秋には第4波がくると言われていますが、これについてブヴェ氏は「昨年より検査の手法も簡素化され、検査技術も上がったことから、以前は見つけられなかったケースもカウントされているのも事実ですが、変異種の感染力の強さから、新規感染者数が増えることは間違い無いでしょう」と述べています。

同氏はまた、デルタ株による感染者増加の場合でも、重症化リスクの高い人だけでなく、介護士へのワクチン接種が進めば、「これまでの様に医療機関が逼迫したり、死者が増えるといった状況は避けられるのではないか」と話しています。

 

フランス人の58%、国民のワクチン接種義務化に賛成

昨年11月の時点では、国民のワクチン接種の義務化に賛成する人は38%しかいませんでしたが、昨日1日に発表された世論調査では20ポイント増えています。

さらに介護士への接種義務化に関しては、72%の人が賛成しています。

また、回答者の60%が政府のワクチン接種キャンペーンは「効率的だった」と答えるなど、国民の過半数がワクチン接種の有効性に納得しているようです。

執筆:マダム・カトウ

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