フランス大統領選挙 第1回投票 SNSで若者への啓発も、5人に2人が棄権

2022.04.14

 

フランス 選挙 若者

4月10日(日)に第1回投票を終え、24日(日)に決選投票を控えるフランス大統領選では、若者の投票率を上げるためのさまざまな取組みが行われています。しかし投票率を上げることは容易ではありません。

 

若者の半数、投票に消極的

レ・ゼコー(Les Echos)誌とラジオ・クラシック(Radio Classique)の調査によると、フランスでは34%の若者が今回の選挙前に「投票所に行くかわからない」と回答しました。この割合は、18〜24歳で51%、また25〜34歳で50%と、とくに若者において高くなっています。

SNSで投票意識を向上

フランス政府は、SNS「スナップチャット(Snapchat)」と協力し、選挙に関連する写真・動画のフレームを作成しました。フランスには2420万人のユーザーがいるとされ、とくに若者の目に留まることを狙っています。

このフレームにはフランス内務省のHPへのリンクがつけられており、クリックすると代理人投票などの情報が見られるようになっています。

また、自分の似顔絵からスタンプを作ることのできるアプリBitmojiでも、投票箱と「投票へ行こう(Go Vote)」のイラストが入ったアバターが拡散されています。

インフルエンサーを総動員

TwitterやInstagramなどのSNSで多くのフォロワー(登録者)をもつインフルエンサーも、投票率の向上に貢献しています。

特にフランスの4人の代表的なインフルエンサー(Vargasss、Crazy Sally、Alexandre Gigow、Laura Pétard)などは、投票の仕方などを自身のTwitterやInstagramで短い動画の形で発信しています。

また、これらのインフルエンサーは情報発信サイトのKonbiniと協力し、2月末から路上インタビューの形式で選挙や政治についての「投票する?(“Ça vote ?”)」という動画シリーズを作成しました。KonbiniのTwitterアカウントには230万人以上のフォロワーがおり、各インフルエンサーのアカウントも合わせて、若者に対する啓発が行われています。

候補者自身も

第1回投票で落選となりましたが、共和党のジャン=リュック・メランション(Jean-Luc Mélenchon)氏は自身がSnapchat上の写真・動画のフレームとなり、「フランスでは大統領による君主政治がおこなわれている。変えたいと考えるあなたは選挙に行くべきだ」と呼びかけました。

 

効果はいかに?

フランス政府の広報担当者によると、このように民間のメディアやSNSと協力する姿勢は、市民とのコミュニケーションの近代化に直結するといいます。またSnapchat側も、SNSとともに育った若者の啓発に資する活動だとしています.

しかし実際、今回の投票における棄権率は、フランス全体では26%であった一方、18〜24歳で42%、また25〜34歳で46%と推計され(※)、とくに若者が選挙に関心を持っていないことが明らかとなりました。若者への啓発は、今後も検討が必要となりそうです。

※Ipsos-Sopra Steria pour Radio France, France Télévisions, France24/RFI/MCD, Public Sénat/LCP Assemblée Nationale、Le Parisien-Aujourd’huiによる調査

執筆あお

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