9月12日(木)、本日18時から14日(土)午前7時まで、パリの地下鉄、バス、トラムを運行するパリ交通公団(Régie Autonome des Transports Parisiens:RATP)は、政府が検討している優遇定年退職制度改正に反対し、大規模ストライキを行います。
定年55歳の《特権》廃止案に猛反対
パリ交通公団のすべての組合(UNSA, CGT, FO, CFE-CGC,SUD)は、本日18時~明後日土曜日の朝7時までストライキを呼びかけました。
今回のストの参加率はパリ地下鉄職員は90%、パリ交通公団が運行するRER(Réseau express régional d’Île-de-France、イル=ド=フランス地域圏急行鉄道網)のうち、RER A 線およびB線では参加率が100%に及びます。
ストは2025年をメドに政府がパリ交通公団(RATP)およびフランス国鉄(SNCF)職員の保有する、優遇定年退職制度の廃止を検討していることに反対して行われます。
パリ地下鉄公団職員の現在の定年は平均55歳、定年退職年齢を全体的に引き上げる必要性が論議される中、政府はこういった特権の廃止を検討しています。
前例なき大規模スト
パリ地下鉄公団の労働組合の一つ、 SUD RATPの書記、マルク・ブリオー(Marc Brillaud)氏は、「私は1996年から働いていますが、こんな大規模なストは初めてです。一部の管理職たちも参加しています」と、今回のストの参加率の高さに驚きを隠せないようです。
また、通常ストの際には「通勤時間帯の最低限の運行率50%」を補償することが法律で義務付けられていますが、今回の運行状況の予測によると守られない確率が高いようです。
10路線が100%運休、13日の地下鉄運行状況
- ・1、14号線:自動運転のため平常どおりの運行、ただし大混雑の予想
- ・2、3、3bis、5、6、7bis、10、11、12、13号線:完全運休
- ・4番線:Montparnasse駅、 Odéon駅、 Strasbourg-Saint-Denis駅、 Barbès-Rochechouart駅、 Marcadet-Poissonniers駅が閉鎖、それ以外は3本に1本の割合で運行
- ・7番線:Place d’Italie駅、Jussieu駅、 Opéra駅、Chaussée d’Antin-Lafayette駅が閉鎖、それ以外は3本に1本の割合で運行
- ・8番線 : Créteil Pointe du Lac駅とReuilly-Diderot駅間のみ運行
- ・9番線:Franklin Roosevelt駅と Nation駅の間は運休、それ以外は4本に1本の割合で運行
- ・RER A 通勤時間のみ3本に1本運行、それ以外の時間は運休
- ・RER B(ドゴール空港行含む):通勤時間のみ5本に1本運行、それ以外の時間は運休
- ・SNCFが運行するRER C, D, E, Transilien は、今回のストライキとは関係ありません。
- ・トラム:T3bis et T5は2本に1本の割合で運行、T1, T2, T3a, T6, T7 ,T8は通勤時間帯(6h30 – 9h30 / 17h – 20h)のみ3本に1本運行、それ以外の時間帯は運休 T11はSNCF運行のため平常どおり
- ・バス:3本に1本の割合
※パリ地下鉄(RATP)の運行状況詳細、アップデートはこちら
9月24日はフランス国鉄のストか?
フランス国鉄の労働組合の1つCGTがやはり優遇定年退職制度廃止に反対して、9月24日のストライキを呼びかけています。
執筆:マダム・カトウ