フランスの食べ物の代表といえば、表面がカリッとした黄金色の長いバゲットといえるでしょう。街中でもバゲットを片手に歩く人をよく見かけます。では、フランスの食卓になくてはならないバゲットはどのように愛され、また、どんな食べ方が楽しめるのでしょうか。今回は、フランスのバゲット事情や、おすすめのバゲットレシピなどをご紹介します。
赤ちゃんからお年寄りまで愛されるバゲット
フランス人の生活に欠かせないバゲット。日曜日は多くのお店が閉まってしまうことが多いフランスでも、パン屋だけは空いているということもあり、フランス人の心と胃袋の灯のような存在です。
小さい子供は、バゲットを買いにいくのが人生初めてのお使いだったりします。学生は学校帰りにおやつを買いにパン屋へ寄り、時を経てリタイヤ世代になるとバゲットを毎日買いがてらお散歩するという光景も見られます。
また、赤ちゃんの歯が生える時期、よくフランス人はバゲットの端っこを与えてかじらせています。あの硬さが歯のムズムズにいいようです。赤ちゃんが時間をかけてバゲットにかじりつく、微笑ましい光景に出くわすこともあります。
簡単レシピ！絶品バゲット料理を作ろう
バゲットの定番人気の食べ方はフレンチトーストです！フランス語では、 pain perdu ( パンペルデュ ) と言います。もともとは、残って固くなったバゲットを賢く消費するために作り出されました。ミルク・お砂糖・バターで味付けしたシンプルな一品ですが、多くの人に親しまれている料理の１つといえるでしょう。
そこで、私がおすすめがするバゲットの食べ方を紹介します。バゲットを１本丸ごと使った簡単レシピで、食卓がとても賑やかになりますよ！ぜひお試しください。
超簡単！とろ～りとろけるバゲットチーズ
【材料】
-バゲット１本
-モッツアレラチーズ １つ (スライスしておく)
-ピザソース １瓶 (トマトまたはバジリコ)
【作り方】
１．バゲットに縦に１センチ間隔に切り目をいれる。下まで切らないように注意。
２．切り込みの部分にピザソースを塗り、スライスしたチーズを挟んでいく。
３．オーブン 180度で８分ほど焼いて完成。
じゃばらのようになったバゲットから、モッツァレラがトロリと溶けて絶妙な味わいです。作り方は簡単ですが、見た目がゴージャスなので人をお招きしたときにもおすすめ！サラダを添えれば、立派なワンプレートディッシュの出来上がりです。
バゲット大量販売と売れ残りゼロへの取り組み！
朝食にバゲットとコーヒー、昼食はサンドイッチに、夜は食事や食後のチーズと一緒に食べるなど、バゲットは毎日消費されます。１本なんてあっという間に食べ終わってしまいます。フランスでは、多くの家庭がバゲットをまとめ買いして切らさないようにストックする傾向にあるようです。
それぞれのパン販売店では食品ロス削減にも力を入れています。大量販売するも、売れ残りを出さないように各店で割引サービスや取り組みをおこなっているので紹介します。
チェーン展開のパン屋
-３本買うと１本おまけ
-前日の売れ残りを割引で販売
-サンドイッチ用に切り落としバゲットを袋で大量売り
スーパーのパンコーナー
-３本買うと１本おまけ
-前日の売れ残りを割引で販売
-家畜の餌用バゲット １キロ売り
個人商店
-基本的にまとめ売りはあまりなし
-前日の売れ残りは、菓子パン系が中心
-アプリなどに登録して売れ残りが出た場合に対応
アプリを使った食品ロス削減への取り組み
大量に生産されるため、売れ残りによる食品ロスを防ぐ取り組みも大切です。以前ご紹介した食品ロスを減らすアプリ ” Too good to go “ の加盟店でパン屋の登録数はとても多く、定期的に安売りアノンスが出されています。パンを食べる方は本当に多いようで、アノンスが出てもあっという間に完売になる状況です！
物価高騰でバゲットも値上がり…
「昔はバゲット１本20フランで買えたのに！」この言葉は、フランスフランからユーロに通貨が移行した後よく耳にしたものでした。そして、物価が上がった最近のフランスでは、「バゲットがまた値上がりしたよ！」という会話がよく聞かれます。
まとめ
フランス人にとってバゲットとは、日本人にとってのお米のように大切な存在です。パン屋さんは朝がとても早く、肉体的にもハードな仕事です。パン職人さんたちのお陰で、おいしいパンが毎日食べられることに感謝ですね。種類豊富に多彩なパンがありますが、やはりバゲットに勝る存在はないと私は思っています。フランスに来ることがありましたら、ぜひバゲットをご堪能ください！
執筆:YUKO
