フランスの失業率8%超、コロナ禍以来の最高水準のワケ

2026.08.07

2026年8月7日(金)、フランスの今年の第二四半期(4月~6月)の失業率は、前期より0.2ポイント上昇し、8.3%になったと、フランス国立統計経済研究所(INSEE:インセ)は発表しました。地元メディアによると、これはコロナ禍に見舞われた2020年の秋以来の高水準となっています。

 

フランスの求職者、270万人

インセによると、全国の求職者数は第二四半期に6万2000人増え、現在270万人になっています。

コロナ禍で2020年にロックダウン(3月~6月)が行われ経済が大幅に低迷した時期を除いた同年の秋以降、およびそれ以前の2019年の第三四半期以来の高水準ですが、過去最高水準だった2015年の10.5%と比較すると2.2ポイント下回っています。とはいえ、失業率の上昇は6四半期連続しています。

すべての年齢層で上昇

50歳以上の失業者は増加の一途をたどり、前期(1月~3月)比で失業率は0.3ポイント上昇、2022年第一四半期以来の最高値に達しています。

一方、15歳以上29歳未満の若年層の失業者数は、今回の増加数の約半数を占めています。

 

「完全雇用」目指し25年に法改正、「求職者」上昇のワケ

マクロン大統領は「完全雇用」(失業率5%以下)を目標に掲げ、昨年1月に施行された法改正を行いました。

これにより、それ以前はカウントされていなかった「生活保護」(RSA:Revenu de Solidarité Active)の受給者、および就職も就学もしておらず、職業訓練中でもない、つまり何もしていない15歳~29歳未満の若者を、フランス版のハローワークである「フランス・トラバイユ」(France Travail)に「求職者」として登録しました。これにより失業率は大幅に増加しました。

ちなみに、フランスでは行政機関のフランス・トラバイユは、登録者を「求職者(demandeur d’emploi)」として管理しています。

一方、インセの失業率は、国際労働機関(ILO)の基準に基づき、「仕事がなく、就業可能で、積極的に仕事を探している人」を「失業者(chômeur)」として集計しています。よって同研究所が集計する失業者数には、フランス・トラバイユには登録をしておらず、失業保険を受給していない人も含まれます。

 

求人広告数、1年で20%減、就職率5%減

フランス大手新聞社、ル・モンド社(Le Monde)が求人広告サイト大手インディード(Indeed)社のデータを分析したところ、昨年5月末から今年の5月末の1年間で求人数が20.3%減っていました。フランス・トラバイユに依頼が来る求人数も、昨年第一四半期から今年の同時期にかけて5%減少、さらに就職率も減少しています。

フランスの超エリートも苦戦

同メディアはまた、6月に公表されたフランス・グランゼコール会議(CGE)の新卒者の就職状況に関するデータも取り上げています。

グランゼコールとは、フランスの行政官や技術者、経営者などの高度専門職を養成するための、少数精鋭エリート養成高等教育機関です。

このエリート校を卒業後、6か月以内に求職活動を行っている人の割合は20.5%に達し、前年から3.6%増えており、高学歴の学生たちの就職も厳しさを増していることがわかります。

 

今後、海外県マヨットの数値も加算で微増も

インセは、全体の数値に大きな影響はないとみていますが、今後フランス海外県の一つ、マヨット(Mayotte)も統計に加算されることになっています。マヨットはアフリカ大陸南東に位置する、人口わずか32万人程度の島ですが、失業者数約2万人、失業率は高く17%となっています。

出典:20minutes、Outre-mère le 1 ère、INSEE公式サイト、 BFM TV、Le Monde

執筆:マダム・カトウ

オンラインフランス語学校アンサンブルアンフランセは、プロの講師によるマンツーマンのスカイプレッスンが1回1500円~受講できます。いつでもどこでも手軽に受講できる利便性と生徒一人一人にカスタマイズされた質の高いレッスンが好評です。→フランス語無料スカイプ体験レッスンはこちら メールマガジンであなたのフランス語学習をサポートする情報をお届けします。フランス語メールレッスン

Classement