日本で記録を塗り替えるほど大人気の映画「君の名は。」。日本に住んでおられる皆さまは「何を今さら・・・」と思われるかもしれませんが、パリでは公開以来、じわじわ人気が拡大している真っ最中なのです。
パリで上映が始まった12月28日から、はや数週間。公開直後に、何人かの日本好きのフランス人から「見たよ!」という報告を受け、「いいな〜!」と羨ましがりつつ、遅れをとっておりましたが・・・私もついに見てきました!おもしろかったです!日本のアニメーションのクオリティの高さに感動!!!
そこで今日は映画館の様子や、フランス人の反応をレポートします。ちなみに、フランス版タイトルは“your name“、英語版と同じタイトルです。
映画館の様子をレポート!
場所はパリの中心地レ・アルにある大型映画館。
実は以前、週末に観に行こうと思い立ち、ふらっと映画館を覗いたところ、30分前ですでに「complet(満席)」の表示。人気の高さに驚いたものでした。
今もその人気は継続中で、今回見に行ったのは平日の午前中にも関わらず、6割以上座席が埋まっていました。夜の上映や週末の上映ではさらに人が増えそうです。
年齢層は、若者が多いかと思いきや、意外にもご年配の方もちらほら。友達連れか1人客が多かったです。
上映中は、観客のリアクションもよく、特に、主人公2人が入れ替わった直後のコミカルなやりとりは、フランス人にも大受けでした。
上映後、何人かの知り合いのフランス人に感想を聞いたところ、「日本の自然風景が美しかった」という意見や、「音楽との融合が素晴らしかった」という意見がありました。感想を聞いたフランス人のほとんどが、スタジオジブリの作品を引き合いに出したり、それを比較しつつ意見を述べていたことも印象的です。スタジオジブリ、特に宮崎駿監督はフランス人にとってもやはりレジェンド!「君の名は。」が、その宮崎作品を抜く興行成績を上げたことは、フランス人にとって大きなインパクトを持ったようでした。他には、「新海監督の作品では、『言の葉の庭』が一番好き」というマニアックな意見もありました。
フランス人の評価は?
フランスでは、すでに15万人が映画を見たと言われています。映画情報の総合サイトAllocine.frによれば、記者による評判は4.0(5.0満点)と、現在公開中の他の映画と比べても高い位置にあります。
それよりも注目すべきは観客の評価。プロの評価を大きく上回る4.6を叩き出し、観客の評価ランキングはフランス国内で堂々の第2位(2月9日現在)。映画の国、フランスにあって、子ども向けではないアニメ映画がこの位置を占めるのは快挙といえます。
評判によれば、「映像の美しさ」「音楽のインパクト」「シナリオの作り込み」から、「ユーモア」などが魅力になっているようです。日本では、ツイッターを介した評判が客足を呼び、幅広い世代の観客を魅了したこの映画。事前の記者評を塗り替える観客の声を拾ってみれば、フランスでも草の根的に広がっている様子が見えてくるようです。
また、「君の名は。」の日本でのヒットにはフランスでも多くの記事が注目しています。先ほども述べたように、一部のジブリ作品を上回る興行成績を上げたことの現象を理解しようと、あれこれ議論が盛り上がっています。公開7週目を迎え、大手の映画館だけではなく、アート作品を上映する小規模な映画館での上映を求める声も上がっています。4月から北米での公開も決まったところで、今後もフランスでどのように「君の名は。」が受け入れられていくのか、目が離せません。
最後に
いかがでしたか?改めて、日本のアニメの人気の高さに驚かされますね。これからも日本映画のこちらでの評判を、フランスから逐一レポートしていきます。
執筆 Nahoko