2026年8月18日(火)、夏休み真っ只中のフランス、とはいえ休みの人が最も多いピークの1週間が過ぎ、多くの人が職場復帰し始めています。2~4週間の長い休暇の後の職場復帰は憂鬱な人が多いせいか、地元メディアがその解消法を紹介しています。果たして効果はあるのでしょうか?
フランス人の7割が「仕事に満足」だが
昨年4月に地元メディアが行った世論調査では、回答者の70%が「仕事に満足している」と答えています。にもかかわらず、長い休暇で生活のリズムが狂い、職場でのプレッシャーから解放されていたうえ、次の休暇はずいぶん先になると思うと、職場復帰は憂鬱なものです。
1)ブルースの一撃?は一過性
休暇から家に戻り、大量の洗濯物、掃除や食料品の買い物、旅行中の写真で容量がいっぱいになったスマホのデータ削除など、やることは満載ですが、やる気が起こりません。楽しかった休暇は夢だったのか?と思いたくなります。
フランス語でよく聞く”(J’ai un )coup de blues”「気分が落ち込んでいる」「ちょっと憂鬱な気分」がぴったりなこの一時的な落ち込みは、たいてい2~3日で解消されます。
ちなみに”blues”は、ちょっと寂しげなアメリカの音楽「ブルース」から来ており、「ブルーズ」と最後のSを発音します。”un coup”は「一撃」という意味で、急な気分の変化を意味し、深刻なうつ病などではありません。
休暇帰りの同僚たちも同じ気分になっているはずなので、仕事が嫌いになったわけでもないし、まずは罪悪感を持たず、落ち込んでいる自分を認めてあげることです。
2)次はどこに行こうかな?
旅行から帰ってきたばかりですが、「次にどこに行こうかな」と考えることは憂鬱の解消に効果的なようです。これを心理学者は「予期的な喜び」と呼んでいます。次の楽しみの計画を心に「思い描く」ことで、心理的にポジティブな感情が生まれるのです。
その際に、「地上の楽園に行く」といった大げさな計画ではなく、週末に友人たちとちょっとドライブにでかけるとか、予算がなければ、部屋の模様替えや先送りにしていた楽しみを実行する計画を立てることで、もう「終わってしまった」楽しみから、次の楽しみへと気分をリセットするのです。
3)仕事を「一気に挽回しよう」という誘惑に勝つ
会社に復帰すると、メールは受信トレイにあふれ、処理しなくてはならない案件は山積みと、誰もが自分を必要としていると思いがちです。
不在だった数週間分の仕事を数時間で片付けよう、などと自分にプレッシャーをかけるのは逆効果で、職場復帰の憂鬱を長期化させるだけなのです。
仕事を重要度と緊急度で分類する「アイゼンハワー・マトリックス」に従い、仕事を振り分けることが重要です:
・重要かつ緊急→最優先、自分ですぐに処理
・緊急だが重要ではない→他の人に振る
・重要だが緊急ではない→予定を立てる
・重要でも緊急でもない→削除
4)1年間の仕事を振り返り、改善点を見つける
フランスでは夏のバカンス明けの9月は新学期のため、過去1年間を振り返るのに都合のよい時期でもあります。自分の仕事に関し、満足していること、疲弊させられること、見直した方がいいやり方や習慣を振り返り、見直しを図ります。
5)仕事、趣味で、新しいチャレンジを
何をしていても、ルーティンワークだったり、「前に進んでない」と感じるときに、人はやる気を失いがちです。その気持ちをもう一度取り戻すために、やりがいのある目標を設定することも効果的です。
新しいITツールを身につけたり、新規プロジェクトに参加したり、個人的に語学を勉強したり、趣味で楽器を習うなど、個人的なチャレンジでもかまいません。
新しい目標ができると、停滞感が薄れ、前に進んでいる感じがするものです。
6)週末に楽しい予定を入れる
多くのフランス人が「バカンスのために働く」とまではいかずとも、一年間一生懸命働いて夏は長期休暇で目いっぱい楽しむことにしていることは事実です。
しかしながら、「夏のバカンス以外は何の楽しみもない」という状況では、残りの11か月が恐ろしく長く、つらいものになってしまいます。
バカンスが終わっても、友人や家族とのランチや散歩、美術館に行くなど、ちょっとした楽しい予定を週末にいれておくことで、日常生活のルーティンから抜け出してリフレッシュすることができます。
7)仕事と家の間にクッション
忙しい職場から通勤電車に乗り、家についたら食事の用意や家事と、あわただしい状況は寝るまで続きます。子供がいる家庭ではさらに子供の世話もあり、息つく暇もありません。
そんな状況でも、仕事帰りにほんの数分でも寄り道する、家事に取り掛かる前に音楽を聴いたり読書をする、毎日でなくともジムに行くなど、仕事と家庭を分けるちょっとしたアクティヴィティを設けることで仕事のプレッシャーから自分を解放することです。
8)「バカンスと日常生活の比較」は無意味と悟る
頭ではわかっていますが、「バカンス」という非日常と日常を比べても意味はありません。なんの制約のない日常生活は、ほとんどあり得ないからです。
日常生活でも、ポジティヴなことはあります。たとえば、気の合う職場の同僚との会話、まだまだ日が長いから仕事帰りに友人と会う、スポーツクラブや習い事の再開など小さな楽しみが見つけられるはずです。
バカンスにしても、なんの制約もない生活が永遠に続くとしたら、ありがた味も減ってしまうかもしれません。
見方を変えれば、日常生活もそんなに苦にならないでしょう。
出典;Ouest France
執筆:マダム・カトウ












