フランスのワイン・スピリッツ輸出業者連盟(Fédération des exportateurs de vins et spiritueux)は2月13日(木)、2018年度における酒類の輸出業績を発表し、4年連続で輸出額が増加したことが分かりました。
貿易戦争や2017年の不作により輸出量は前年比2.7%減となったものの、輸出額では安定した業績を残しています。
安定の輸出額
ワインのみの輸出による営業利益は前年比2.6%増加の89億ユーロであり、蒸留酒のみでは1.8%増の43億ユーロでした。
欧州向けは堅調、中国向けは減少
EU内での輸出額は前年比2.2%増を記録しました。ブレグジットの影響が心配される英国向けの輸出も、0.6%減に留まっています。
一方で中国向けの輸出は14.4%減と、大きく落ち込みました。貿易戦争や経済成長の鈍化が原因と見られています。
実際は中国向けのワインが香港やシンガポールを経由していることから、減少率は2.5%にとどまるとの試算もあります。
輸出先第一位は米国
米国はフランスにとって第一のワイン輸出相手国です。2018年度の輸出額は前年比4.6%増の32億ユーロに達しました。
人気急上昇のロゼワイン
1月28日には、マルセイユで開かれた関係者会合において、米国でのロゼワイン販売が延びていることが取り上げられました。特に「ミレニアル世代(les Millennials:アメリカにおける1980~90年生まれの世代。「génération Y」とも呼ばれる)」からの人気が沸騰しているといいます。
英ワイン・インテリジェンス(Wine Intelligence)社によれば、米国における65%のミレニアル世代がロゼワインを好み、今や米国がフランスに次いで第二のロゼワイン消費国になりつつあります。
さらに成長が期待されるロゼワイン市場
ミレニアル世代は生産人口に占める割合が大きいことから、今後も市場の拡大が期待されています。米国向けのロゼワイン輸出は10年後に30%増加すると予測されています。
ミレニアル世代はフランスにも1600万人存在し、生産人口の半数を占め、この割合は10年後には4分の3まで拡大します。中国のミレニアル世代も3億6400万人存在し、今後さらにロゼワインの市場は広がるでしょう。
執筆あお