11月28日(木)、フランスの会社員の約二人に一人が、過去12ヶ月間で少なくとも1回は病気で会社を休み、更にそのうちの約半分は34歳以下であると、調査会社マラコフ・メデリック・ユマニ(Malakoff Médéric Humanis)社が公表しました。
フランスの会社員の44%が年1回病欠
フランスの民間企業の社員2000人、および400人の企業幹部を対象に行った調査によると、過去12ヵ月以内に少なくとも1回はドクターストップ(arrêt de travail )注)で会社を病欠した社員は全体の44%、そのうちの37%は2回以上病欠したことが明らかになりました。
病欠の半数が18歳から34歳までの社員
病欠した社員のうち49%は18~34歳までの若い社員で、しかもそのうちの37%は2回以上会社を病欠しています。
さらにこの層の8%の社員は、過去1年間で3回病気で会社を休んでいます。この傾向は特にホテル・レストラン業界で顕著にあらわれています。
「この年齢層の社員は仕事に対する新しい概念を持っています。つまり、デジタルを駆使して楽に、場所を問わず働くことです。また、仕事と健康管理に関する考え方も実利です。これは具合が少々悪くても仕事をし続けた両親を反面教師としているのでしょう」と、今回の調査を担当したアンヌ=ソフィー・ゴドン(Anne-Sophie Godon)氏は述べています。
病欠の理由として、《風邪や腹痛などのありふれた病気》36%、《腰痛などに代表される、筋肉や骨などの障害》25%、《バーンアウトなど、社会的精神的障害》18%等を回答者は挙げています。
会社員の5割以上が 《仕事で疲弊》
ゴドン氏はまた、「病欠社員の数よりも、理由に注目すべきだ」と述べています。
マラコフ・メデリック・ユマニ社が今年6月に行った別の調査では、回答者の54%が《仕事で疲弊している》と答え、この数字は昨年2018年の調査から4ポイントも上昇しています。
《ドクターストップでも仕事》 最近の現象
また、回答者の28%は《ドクターストップを無視して仕事した》、もしくは《一部しか休まなかった》と答えています。
医者の処方を無視して働いた人の多くは上級管理職や会社幹部で、特に4~10日間のドクターストップは守らなかったという人が最も多く、5~15日間についても「一部しか休まない人が多い」という結果になっています。
ドクターストップを守らなかった理由として、《だらけるのが嫌だから》や《無給だから》と回答した人が多数を占めていますが、一方で《休まなかったことを後悔》した人は47%にも上ります。
テレワークが解決策?
過去12ヵ月で《ドクターストップでも家で仕事をしたことがある人》は、全体の3分の2にあたります。
そして回答者の63%が、ドクターストップよりも《テレワーク》を希望しています。これは上級管理職や会社幹部層では80%以上にも上ります。
注)フランスのドクターストップは一部または全ての給与保証を伴います。保証額や条件は、業種別労働協約により異なり、最初の1~2日が無給の業種もあります。
給与保証は会社負担を伴い、労働規約に定められた最初の1~3日は全額を会社が負担し、その後病欠日数により会社負担は減額され、残りを公的医療保険が肩代わりするなどの取り決めがあります。
執筆:マダム・カトウ