2014年に仏南部のトゥルーズ(Toulouse)で発見された絵画の作家の確認が2019年2月28日(木)に終了し、バロックを代表するミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジオのものであると判明しました。
カラヴァッジオとは
ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジオ(1571頃-1610, 伊Michelangelo Merisi da Caravaggio、仏Le Caravage)は、イタリアのミラノ近郊で生まれたバロックを代表する画家です。
カラヴァッジオは38歳で亡くなったため、作品数は少ないほうだと言われていますが、『聖マタイの召命(La Vocation de saint Matthieu)』をはじめとする宗教画でその名が知られています。
4年の確認作業を経て
今回トゥルーズの民家で発見された絵画には、1598年~1599年頃の彼の作品『ホロフェルネスの首を切るユディト』と同じモチーフが使われていたことから、カラヴァッジオのものではないかという意見が浮上しました。
フランス政府は確認作業のために、2014年から約2年間この絵画を国外に持ち出すことを禁じており、今回晴れて作者の名前がロンドンで発表されたのです。
ユディト記のホロフェルネス
この絵画は、聖書の『ユディト(Judith)記』の一場面をもとに1607年に描かれたものです。
作品のモチーフは、ユディトがベツレヘムの街(la ville de Béthulie)を守るために、将軍ホロフェルネス(le général Holopherne)を殺すところです。
今後はオークションへ
この絵画は6月27日にトゥルーズでオークション(enchères)にかけられる予定です。
過去にも作品の行方不明事件が
カラヴァッジオの作品は、過去にも行方不明の状態から発見されたものがありました。
『キリストの捕縛(Arrestation de Jésus)』は、約200年の間行方不明とされていたのですが、1990年にアイルランドのダブリンで発見されました。
カラヴァッジオは自分の作品にサインをしないことがしばしばあり、模作も多いため、この時も作者を特定するのに相当の時間がかかったようです。
皆さんも自宅の屋根裏部屋をのぞいてみてください。
執筆あお