2月25日(月)、経済や金融情報の配信などを手がけるアメリカの大手総合情報企業、ブルームバーグ(Bloomberg L.P.)が「世界の健康な国」ランキングを発表し、フランスは2017年に発表された前回の結果から順位を2つ上げ12位に、日本は順位を3つあげ4位にランクインしました。世界でもっと健康だとされたのは、スペインでした。
国連のデータによる順位
国際連合(英:United Nations、仏:Organisation des Nations unies)によって収集された、平均余命、死亡の原因、清潔な水を利用できるかやスポーツなどの身体活動のデータを基に、世界169の国や地域を100点満点で表したものです。
伝染病を含む病気や怪我などによる死亡、平均寿命、生存確率などから算出したヘルス・スコア(Health Score)から、高血圧や肥満、糖尿病、病気を誘発する遺伝子の有無、喫煙、飲酒、ワクチンの非接種、子供の偏食や飢餓、精神状態などから算出したヘルス・リスク・ペナリティ(Health risk penalities)をひいた、ヘルス・グレード(Health Grade)によって順位が付けられています。
フランスは前回より順位を2つ上げ、12位
フランスは、2017年に行われた前回のランキングでは、総合で14位でしたが、今回はヘルス・グレード86.94ポイントを獲得し、前回より2つ順位を上げ、12位という結果になりました。
フランスはスペインやイタリアには及ばないものの、高い平均寿命、健康的な食生活、高い健康への意識や盛んなスポーツなど、総合的に健康的な生活を送っていることが評価されていると見られています。
また、日本は91.38ポイントのヘルス・グレードを獲得し、前回よりも3つ順位を上げて第4位になりました。一方、前回1位だったイタリアは順位を一つ下げ2位、前回6位だったスペインが一気に5つ順位をあげ92.75ポイントのヘルス・グレードで1位となりました。
上位10位の多くはヨーロッパ
上位10位にはヨーロッパ諸国が多くランクインし、それ以外では4位に日本、7位にオーストラリア、8位にシンガポール、10位にイスラエルがランクインしています。
また、20位までもそのほとんどがヨーロッパやアジア、オセアニアなどの先進国で、経済的な豊かさと健康指数が比例する結果となっています。
アメリカ大陸ではカナダがトップ
南北のアメリカ大陸で20位以内にランクインしたのは、16位のカナダのみで、35位のアメリカ、53位のメキシコを大きく上回っています。
アメリカは薬物の過剰摂取や自殺による平均寿命の低下、メキシコはギャングの闘争や麻薬、貧困等による平均寿命の低下等が影響しています。
最も健康的ではない30カ国のほとんどはアフリカ諸国
ランキングで最下30位に位置づけられたのは、サハラ砂漠以南の27のアフリカ諸国と、中央アメリカの島国のハイチ、中東のアフガニスタン、イエメンです。
ハイチは2010年に起こったハイチ大地震によって大統領府や財務省などが倒壊し政府がマヒ状態に陥り、現在も事実上政府がほぼ機能していない状態が続いています。
スペインの平均寿命は欧州で最高
1位のスペインは、平均寿命が欧州連合(EU)の中でも最も高く、2040年には86歳に達すると予想されています。また、スペインの出生時の平均余命も欧州連合の中で最も高く、これを上回っているのは、日本とスイスだけです。
食習慣が健康に及ぼす影響
アメリカの研究者は、食習慣が健康や寿命におおきく影響しているのではないかと述べています。
果物や野菜、ドライフルーツ、ハーブやオリーブオイルを多く使用するスペインやイタリアなどの地中海沿岸地域の料理は、血管系の疾患やアルツハイマー、パーキンソン病などのリスクを減らす、とされていて、スペインやイタリアの平均寿命を上げる要因になっているのではないかとみられています。
執筆:Daisuke