2月4日(月)、フランスの化粧品メーカーであるロクシタン(L’Occitane)は、2025年までに包装材に使用される全てのプラスチックをリサイクル資源に替えることを発表しました。
ロクシタンの商品に使用されるプラスチック
ロクシタンは南仏プロヴァンス地方(la Provence)で1976年に創業され、植物由来の原料を使用したオーガニックのハンドクリームやシアバター、シャンプーやコンディショナーなどを開発・製造・販売する会社です。
現在のところ、これらの商品のうち57%がプラスチックの容器(flaconnage)で販売され、年間でおよそ1億個の容器に2500トンのプラスチックが使用されています。
全ての容器をリサイクル資源に
ロクシタンは今回、カナダのループ・インダストリーズ(Loop Industries)社との提携のもと、2025年までにすべてのプラスチック容器にリサイクル素材を使うことを決定しました。
ループ・インダストリーズ社は今後、ロクシタンの包装材を製造する子会社向けにリサイクル素材を使用した容器を新しく開発する予定です。化粧品を入れる容器だけあって、素材に配慮しながらも透明度や色味の調整が必要となります。
新しいリサイクル技術
ループ・インダストリーズ社は「アップサイクル(upcycling※英語)」の技術を持つことで知られています。
そもそも「リサイクル(recyclage)」は、使用済みのモノを何か別のモノとして再利用することを意味します。
再利用される際には、元よりも機能や用途が劣るというのが一般的であり(例えば、古着をクロスとして使用するなど)これを「ダウンサイクル」と呼びます。これに対して「アップサイクル」は、元よりも優れた使い道が可能なリサイクルのことをいいます。
この技術をもとに、ループ・インダストリーズ社はすでにフランスの食品メーカーのダノン(Danone)や飲料メーカーのエヴィアン(Evian)、さらに米国のペプシコ(Pepsico)などの大企業と提携を結び、事業を発展させてきました。
環境保護に積極的なロクシタン
ロクシタンは最近10年間、プラスチック汚染(pollution plastique)をはじめとする環境問題を打開するための商品開発に取り組んできました。
例えば、使用済みの容器を店舗に返却できるサービスがあります。また、100%リサイクル資材でつくられた容器もすでに30%の商品に使用されています。このような取り組みにはコストがかかるものの、現在のところ営業利益への影響はないとの発表がなされています。
環境への配慮を高めることで商品の付加価値を上げる、ロクシタンはこうした流れづくりのさきがけとなるでしょうか。
執筆あお