環境問題の意識が強いフランス!改善への取り組みもすごかった!

2023.03.02

エコロジー イメージエコロジー、サスティナブルという言葉を頻繁に耳にするようになり、環境改善について意識する人が多くなってきています。現在フランスが抱える環境問題は、大きく分けて3つあります。大気汚染、プラスチックごみ、フードロスです。フランスの政府、そして国民はどのように改善に取り組んでいるのでしょうか?今回は、フランスでおこなわれている、地球を守る小さなアクションを紹介したいと思います。

 

大気汚染を改善する取り組みのためのアクション

フランスは国土が広いこともあり、都心部を離れると車での移動が多くなります。公共交通機関はあるものの、日本ほど全都市を網羅していません。また、遅延やストなどもあり、残念ながら電車が確実という信頼度はないのが現状です。

エコカーへ買い替えると資金援助が受けられる

フランスはバカンスが多い国のため、旅行や里帰りなどで長距離を車移動することが多いです。また、都市部を離れると車なしでは生活が成り立たないという現実もあります。このように、車はフランス人の暮らしに欠かせない必需品となっています。

しかし、車の移動を見ていると4人乗りの車に1人か2人しか乗っていない場合が多く、これでは渋滞も起こりやすく、排気ガスの排出が多くなるのも納得です。

そこで、政府は大気汚染を改善すべく、電気自動車やハイブリッドカーなどの買い替えキャンペーンをおこなっています。これは、エコカー(環境保護に適した車)を購入する場合、新車・中古車に関わらず国から資金援助が受けられるシステムです。援助金額は車の種類にもよりますが、4000€~6000€です。

排気ガス排出量の多い車を減らすのが狙いで、私もこのキャンペーンを使ってディーゼル車からハイブリッドカーに買い換えました。ハイブリッドカーは値段が高めなので、政府からの援助によって環境保護に参加できてよかったと思っています。

一方、私の知り合いはキャンペーンに興味はあるものの、長距離通勤のためチャージの頻度を考えるとなかなかディーゼル車が手放せない状況です。こういった理由で買い替えを至難するケースも少なくないようです。

排気ガス排出量が多い車種の乗り入れ制限が進む

また、排気ガス排出量が多い車種においては多くの都市で乗り入れ制限をしており、その規制はどんどん拡大傾向にあります

国民のアクションとしてはテレワークを週に2日導入したり、以前も紹介しました相乗りマッチングアプリを利用して車をシェアして使うなど、排気ガスの排出軽減を心掛けています。

 

脱プラスチック製品!注目される日本の風呂敷

マイボトルフランスではミネラルウオーターの種類が豊富です。値段も手頃なことからか、少し前までは食事中にも市販のペットボトルを利用していた家庭も多くありました。

しかし現在、政府はプラスチック製品の無駄使いを減らすために、飲食店で出されるストロー、フォーク、ナイフなどはプラスチック製の使用を禁止しています。

ペットボトル削減のために

飲料はマイボトルを持ち歩くのが当たり前になりました。素敵なデザインのボトルがたくさん出回っているので、抵抗なく切り替えができたようです。大学の学食などでもマイカップを持参すると、コーヒーの値段が安くなるなど小さな努力を続けています。

また、炭酸水を好んでよく飲むフランスでは、レストランや家庭で自分で炭酸水が作れる、ソーダストリームという家電を導入してるところもかなり増えてきました。

袋の代わりに風呂敷が注目されている

風呂敷すでに定着している買い物袋有料化に続き、いずれは量り売りの野菜などの袋も有料化が進むのではないかと感じています。

そして、フランス人たちは日本の風呂敷に興味を持ち始めました。贈り物を素敵な布で包んで渡したり、物を包んで運んで使い終わればコンパクトにたためてかさばらない、そんな風呂敷の魅力に注目したようです。最近、風呂敷活用術のワークショップの告知も目に付くようになりました。

 

フードロス対策の法律とは?売れ残りストップの取り組みも

フードロスフランス環境エネルギー管理庁 ( Ministères Écologie Énergie Territoires ) の発表によると、フランスでは年間1人あたり30キロのフードロスとなっており、合わせて1千トンの食品が無駄にされていると言われています。なんと、それは160億ユーロに相当するそうです。

この問題を改善すべく、フランスでは食品廃棄禁止法を立ち上げ、2025年までに、現在の半分の廃棄量に減らすことを目標にしています。その改善策をいくつかを紹介しましょう。

1. スーパーに対し、売れ残りの量によって罰金という制裁処置がとられる
2. 量販店に対し、フードバンクなどに食品を提供する協定の義務化
3. 食品ロス改善に貢献する国認定のブランドづくり
4. 飲食店にドギーバッグ義務化
5. 消費者に向けた賞味期限のわかりやすい説明の記載

売れ残りを安く買えるアプリでフードロス対策!

今、個人のアクションとして流行っているのが、“TOO GOOD TO GO” というアプリを使ったフードロス改善に参加できる仕組みです。このアプリを使って何ができるのでしょうか?簡単に説明します。

消費者はアプリに掲載されているパン屋、飲食店、そしてスーパーなどで売れ残った商品賞味期限が近くて店頭に出せない商品を安く買うことができます。それらはパニエと呼ばれ、価格が3分の1ほどになるのでお買い得といえるでしょう。デメリットは、その日によって内容が変わるので、受け取るまで中身がわからないという点です。

販売側にとっては、食品廃棄物を減らせるメリット、そしてお店の宣伝にもなります。しかし、テイクアウト用の包材代や袋詰めの作業も加わるので、利益を出すというよりフードロスに貢献するという姿勢で参加しているお店が多いようです。

私もお店に行ったとき、“TOO GOOD TO GO” を利用してパニエを引き取りに来ている人を何度か見かけました。スマホを使い慣れていて、外食を好む若い世代の人達の利用が多かったです。

各世代によってフードロスへの参加の仕方が多様化していることで、改善にプラスになっている印象を受けました。

 

まとめ

フランスが抱える3つの環境問題。政府が提示するシステムの導入と、市民の参加によって状況の改善を目指しています。どのような形で取り組めるのか、一人一人のライフスタイルに合わせて、時々見直すことも必要だと感じています。日々の生活の中で、自分ができるアクションを少しずつでも始めることが大切ですね。

執筆 YUKO

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