家族の一員として大切な存在のペット。フランスでは、10人中６人はペットを飼っていると言われています。ヨーロッパでもトップ３に入るほど、ペットが大好きな国といえるでしょう。人気のペットは犬と猫。カフェやレストランにも、飼い主と同伴している犬の姿をよく見かけます。そこで今回は、フランスでペットを飼うときによくあるお悩みと解決策を紹介します。
同棲する学生カップルがペットを飼うなら？
フランスでは、高校を卒業後して大学生や専門学校生になったら、親元を離れて暮らす子供たちが大勢います。付き合っている彼氏や彼女と同棲を始める学生も少なくありません。一人暮らしより２人でシェアしたほうが、経済的に負担がかからないという理由もあるでしょう。
ここ最近よく耳にするのは、同棲を始める学生カップルが保護猫を受け入れるというパターンです。昼間は授業が忙しいので。お散歩などの手間がかからないのが猫人気の理由だそうです。保護猫を斡旋するNPO団体には、常に多くの飼い主を待つ猫たちがいます。
保護猫を助ける運動にも参加でき、なおかつ生活に安らぎを与えてくれる猫が同棲生活の仲間入り。同棲とはいってもお互い学生なので、週末はお互いの実家に顔を出すこともあり、そのときはどちらかが猫を連れて帰省します。
動物を飼うことへの責任感がどれ位あるのかわかりませんが、最近フランスで流行りだした？同棲カップルの猫の受け入れ。勉強と生活の他に、安らぎを必要としているのが感じられます。
フランスの保護動物団体のサイト：La SPA
飼い主とペットの良好な関係作りはどうやって？
フランスでは、リードにつながれていなくても飼い主と歩調を合わせてお散歩を楽しむ犬をよく見かけます。犬が遠くに離れていても、飼い主の一声できちんと戻ってくる姿を見かけると躾ができているなと感心します。
中には無駄吠えをしたり、リードをぐいぐいと引っ張る犬もいますが、フランスではドッグスクールに一定の期間通い、プロの指導を受けながら躾を教え信頼関係を築いていく飼い主さんも多いです。しかし、保護犬で虐待を受けていたりする場合、人間不信に陥っていることが多いので時間を必要とする場合もあります。
また、ここ最近は動物と交信して受け取ったメッセージを飼い主に伝えるアニマルコミュニケーターの存在も耳にするようになりました。どこまで踏み込むかは飼い主さん次第ですがペットとの良好な関係を望んでいる姿勢を感じることができます。
飼えないならレンタル！犬をお世話できるプラットホーム
フランスでは、どのような住宅環境でもペットを飼うことが許されています。ペットを飼うハードルは低いかもしれませんが、さまざまな理由で実現できない人もいます。
例えば、昼間は仕事で不在が多い、経済的に厳しい、家族の承諾が得られないなどからペットを迎い入れることを躊躇する人も多いようです。また、動物の医療費は保険適用外なので、ワクチンや病気の時の出費はかなり大きいです。
そのような方向けに、ペットレンタルのサイトがあります。これは犬を飼いたい人たちと、犬を預けてもいいという飼い主さんのマッチングサイトです。登録すると、自宅付近でレンタルできる犬のリストを閲覧でき、そこで犬の性格や飼い主さんの要望などを知ることができます。
例えば、
「週末の夜、レンタル可能。子供好きの犬。猫はNG」「平日の昼間、お散歩させてくれる方希望」など書かれており、レンタル希望者は自分のプロフィールに希望日時、条件、過去の飼い犬経験を書き込みます。
一人暮らしの友人は犬が大好きですが、仕事で不在がちなため飼うことを断念。しかし、時々このサイトで出会った犬を週末に預かっています。
飼い主側にとっても信頼できる人とこのサイトを通して出会えれば、ペットシッターさんへお金を払わなくても、犬を預かってもらいお出かけが気兼ねなくできるというメリットもあります。
ペットレンタルのサイト：Emprunte Mon Toutou
まとめ
フランスでは動物とのふれあいがとても身近であることが伺えますね。しかし、ペットを飼う環境に恵まれている反面、ペット放棄という悲しい現実も抱えているのです。動物保護団体への物資や金銭の寄付を多くの学校で呼びかけたり、メディアでもペット放棄に対する警告をおこなっていることから、問題に真剣に取り組んでいる印象があります。人と動物がお互い良い関係で生活ができるように、今後システムもより良いものに変化していくのではないでしょうか。
以前ご紹介した2022年のペット事情について読んでいただくと、よりフランス人とのペットの関わり方について理解が深まると思います。
→二極化が進むフランスの深刻なペット事情！
執筆 YUKO
