フランスの魅力と言えばガストロノミー！食材が豊かで盛り付けの美しさも楽しめるフランス料理ですが、今回はネーミングがテーマです。フランスでは変わった名前の食材やフランス料理が結構あります。フランス語の勉強を兼ね、おもしろくて不思議なネーミングの料理とお菓子を紹介をしていきます！
絶品！レストランで出会った「豚の蜘蛛」
ホテルレストランのランチのメインで発見したのが ” araignée de porc ” (アレニェ ドゥ ポーｒ)です。訳すと「豚の蜘蛛」。お料理に蜘蛛とは？とイメージがうまくわかず、スタッフの方に聞いてみることにしました。
「これはお肉の部位のことを指します。もも肉の中でも尾骨の上にあり、豚１頭から２枚しか取れない希少部位になります。とても柔らかくおいしいですよ。」と説明を受け早速注文。出てきた料理は、豚肉をソテーしたものにソースがかかっており、確かにとても柔らかくて美味でした！
希少部位のため、残念ながら店頭に並ぶことはほとんどありません。肉屋さんがお得意客や親しい友人のためにとっておく場合も多いという貴重品です。私が頂いたのは豚肉でしたが、牛肉や仔牛肉の場合でも、この部位はアレニェと呼ばれるそうです。
「豚の蜘蛛」になった理由
豚肉と蜘蛛の関係が謎だったのですが、テーブルに挨拶にきたシェフに聞いてやっと解明しました。「この肉を扱うときの形状が蜘蛛を連想させるからなんです。繊維が多い見た目と、肉の筋を取るなど処理をしているときに蜘蛛のように見えるからと言われています。」とのこと。
この面白い名前のお肉、フランス料理店でメニューにあったらぜひお試しいただきたいです。シンプルに焼いて、ソースにマスタード風味やスパイスなどで変化をつけるだけで十分おいしいですよ。自分で調理してみたい方は、肉屋さんに予約を入れておくとよいでしょう。
フランスで愛されるお菓子「尼さんのおなら」
インパクト大のネーミングのこのお菓子は、コロンとした丸い形のシンプルな揚げドーナツです。フランス語では ” Pets de nonne ” (ペ・ドゥ・ノンヌ)。pets は「おなら」、nonneは「修道女」を指します。訳すと「尼さんのおなら」ということになります。
名前の由来は、いくつか説があります。食事の支度をしている最中、修道女が放った屁が、ドーナツを作っていた他の修道女たちを笑わせ、思わず油の中にスプーンで生地を落としたのが誕生という説。それから、大切な晩餐の支度をしている修道女が、緊張しておならが出てしまいドーナツができたという説などさまざまです。
作り方は、シュー生地をつくり油でカラッとあげて、最後に粉砂糖をかけるシンプルな物。風のように軽い食感で、いくらでも食べられるおいしさ！しかし、お店で売っていることがあまりないので家庭で作られているようです。
「尼さんのおなら」のレシピを紹介！
興味のある方は、こちらのレシピを参考にしてください。以下の分量で40個ほどの「尼さんのおなら」ができますよ。
【材料】
・バター 75ｇ
・お水 125ｇ
・ミルク 125ｇ
・薄力粉 150g
・砂糖 30g
・卵 ４個
・揚げるための油
・粉砂糖 適量
【作り方】
１．お鍋にバター、お水、ミルクをいれて火にかけ沸騰したら薄力粉と砂糖を一気に加える
２．生地がお鍋にくっつかなくなるくらいまでよく混ぜて、ぽってりと丸い生地になったら火を止める
３．卵は１個ずつ入れて、その都度よく混ぜる。
４．別のお鍋に油を入れ、180度になったら３の生地をスプーンですくって入れる
５．こんがり焼き色がついたら取り出し、少し冷ました後、粉砂糖をかけて完成
「尼さんのおなら」は、2月～3月にかけておこなわれる謝肉祭 （カーニバル）の時期に食べるお菓子と言われています。フランスのカーニバルについて詳しく知りたい方はこちらも是非読んで理解を深めてみてください。
まとめ
今回はちょっと変わった名前のフランス料理とお菓子を紹介しましたが、味は保証付きのおいしさです！また、フランスにはネーミングがロマンチックなお料理や食べ物もいろいろとありますよ。
アンサンブルアンフランセでオンラインレッスンを受けている方は、他にどんなネーミングのものがあるか講師の方に聞いてみるのもいいかもしれませんね。
執筆 YUKO
