フランスのイベント「マルディ・グラ(Mardi gras)」とは?

2023.02.22

フランス Mardi gras

フランスでは冬のヴァカンスを迎えている方も多いかと思います。このヴァカンス中には、2月21日(火)の「マルディ・グラ」また「肥沃な火曜日」(Mardi gras)という、キリスト教にゆかりのある祭日が含まれています。一体どのような意味があるのでしょうか?

 

「マルディ・グラ」???

「マルディ・グラ」は、日本ではあまりなじみのない祭日でしょう。では、翌日の「灰の水曜日(Mercredi des Cendres)」はどうでしょうか。

ではイースター(復活祭、les Pâques)は、いかがでしょうか。フランスでは国民の祝日となっていますね(今年は4月10日です)。日本でも最近、うさぎやイースターエッグのモチーフのお菓子などが売られるようになっています。

イースターと灰の水曜日

「灰の水曜日」またイースターは、キリスト教文化のなかで大切にされてきた祭日です。イースターは、預言者イエス・キリストの復活を祝う日で、とくに盛大にお祝いされます。

イースターまでの準備期間は「四旬節(le Carême)」と呼ばれ、この四旬節の初日である「灰の水曜日」は、この日から準備を始めると、イースター当日に洗礼を受けられる日とされてきました。

 

「マルディ・グラ」の由来

では「マルディ・グラ」は、これらのキリスト教のお祭りになにか関係があるのでしょうか。現在「マルディ・グラ」を祝う地域をみると、カトリック文化が根付いているところもあれば、そうでないところもあります。

そこで「マルディ・グラ」の歴史をさかのぼってみると、ローマ時代の農民文化と、キリスト教の文化が混ざりあって、現在に至ることがわかります。

謝肉祭(カーニバル)

ローマ時代の農民たちは、この時期、長い冬を越し、春の訪れを待ち望んでいました。

そして、豊作を願うため、ごちそうを食べたり、仮装などをして踊りを楽んでいました。現在「謝肉祭」また「カーニバル」(carnaval)と呼ばれるお祭りです。

四旬節

一方、キリスト教では、四旬節の間、信者はバター、卵、牛乳、チーズ、肉などの「脂をふくむgras」食品を控えます。この期間を前に、普段よりも豪華な食事をする習慣がありました。

この謝肉祭と、四旬節前のなわらしが影響し合ったことで、4世紀ごろからキリスト教文化のなかで「マルディ・グラ」を祝うようになったと言われています。

 

現在の「マルディ・グラ」

現在は、2月末から3月のあたまにかけ、世界各地で「マルディ・グラ」また、謝肉祭が祝われています。

とくにヴェネツィア(イタリア)、リオ・デ・ジャネイロ(ブラジル)、ニュー・オーリンズ(アメリカ)のカーニバルが有名ですね。ニュー・オーリンズでは、カーニバルのことを「マルディ・グラ」と呼んでいます。

そしてフランスでも、ダンケルク、ニース、アヌシー、また海外県のグアドループでカーニバルが行われています。

揚げドーナツのようなベニエ(beignet)、南仏やイタリアではビューニュ(bugne)と呼ばれる揚げ菓子、またワッフルなどを食べる風習があります。

フランス Beignets / Berliner

これらのお菓子を見つけたら、ぜひ「マルディ・グラ」の歴史を思い出してください。

執筆あお

参照
La Croix (05/03/2021) Qu’est-ce que le mardi gras ?

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