フランスの女性は仕事もプライベートもパワフルにこなせる人が多いのですが、それはなぜなのでしょうか?そのひとつに婦人科との上手な付き合い方にあるのかもしれません。今回はフランスの婦人科制度についてご紹介いたします。日本とどのような違いがあるのでしょうか。
フランスでの婦人科体験!日本との違いは?
フランスでは、産科受診の際に事前予約の必要があります。婦人科・産科医は、個人のキャビネ( cabinet )と呼ばれる診察室をマンションの一室に設けていて、そこに看護師は見かけません。
私がお世話になった婦人科・産科医は女医さんでした。最初に問診を受け、その後に診察台に行くのですが、その前にそこで全裸になるように言われてびっくりしました。なぜなら窓はカーテンが付いておらず、おまけに少し開いていて外から見えそうだったからです。裸になると心細くなり、診察台までの距離を感じたものです。
待合室はいつも混み合い、予約をしても待たされました。しかし、診察室では先生と二人きりなので、ゆっくり話しができます。ちなみに彼女の診察室には子供が遊べるおもちゃコーナーがあり、子ども連れの患者さんへの心配りが感じられました。
検診でわかった婦人科の分散制度
妊娠中は定期的に検診やエコーをするために診察室へ、血液検査はラボラトリーでおこないます。そして出産準備のため、助産師さんの所へも定期的に通いました。母親学級などはなく、助産師に個人的にアポイントを取り、出産のための呼吸法やマッサージなどを数回にわたってレクチャーしてもらいました。
助産師はフリーランスで女性の方がほとんどです。大抵は、マンションの一室に診察室を持ち、数人で一つの診察室をシェアしている形態をとっています。私は4人の助産師さんに問い合わせて、ようやくアポを取ることができました。
日本にもあると嬉しい!産後ケアの制度
「インナーマッスルを鍛えよう!」と、よく耳にしますよね?ピラティスなども注目されていますが、フランスには「ペリネケア」というものがあります。日本の国民保険にあたる社会保障が、産後に10回まで全額負担をしてくれて個人トレーニングを受けることができます。
日本では子育てで忙しい時期に続けるのは難しいでしょうが、フランスでは助産師の所にベビーを連れて個人的に30分のレッスンをしてもらえます。膣トレーニングと並行して育児の質問などもできるので女性にはありがたいサポート制度です。
待合室には、無事に出産を終えたお母さんから「出産のお知らせカード」も飾られてアットホームな雰囲気でした。様々な世代の方が来ており、助産師さんはマタニティケアだけでなく女性の体全般のサポーターの役割もしているのです。
とても身近なフランスの婦人科
婦人科は女性にとって大切な医療機関です。フランスでは専門医の予約を取るために3か月待ちが当たり前。それでもフランスの女性達は婦人科検診も対応できるホームドクターを選ぶことが多いです。社会でフランス女性が前向きに頑張れるのも、女性の体を守る医療システムが充実しているからでしょう。医療現場で活躍する女性の数が多いのも頷けますね。
執筆:YUKO