ケガや病気になると病院へ行きますが、フランス人はさまざまなケアやセラピーを上手に利用しています。今回は、フランス人の身体と心のメンテナンス法や、フランスの病院事情についてレポートいたします。
病気やケガになって驚いた3つのこと
医療技術に不満はないものの、受診するまでのプロセスが意外とやっかいなのがフランスです。病気予防のためにも、セルフケアに力をいれたほうがいいと感じた3つの理由をあげていきます。
【1.専門医の予約をとるのがとても困難】
フランスでは眼科、皮膚科、耳鼻科など専門医の予約が簡単にとれません。3か月後に予約がとれたらまだいいほうで6か月待ちなどのケースもあるのです。
【2.急患で病院に行っても待ち時間は覚悟】
急患であってもすぐ診察や処置をしてもらえることは稀で、かなり待たされます。私も待合室のソファーや院内の待機部屋で長時間待たされた経験があります。
【3.新規患者はお断りの専門医】
専門医の人材不足が原因だと思いますが、電話がつながっても「新規の患者さんは受け付けません」とつれない返事をもらうことがあります。
痛みや不調で体が弱っている状態なのに、すぐに診察をしてもらえないのはとても辛いです。そうならないためにも、普段からのセルフケアがとても大切だと実感しています。
フランスで利用されている様々なケアとセラピー
フランスは西洋医学が中心ですが、並行して身体と心をケアするセラピーなども人気があります。例えば…
・身体のケアの場合…オステオパシー、鍼灸、指圧、カイロプラクティックなど
・心のケアの場合…サイコロジスト、ソフロロジー、ヒプノセラピーなど
フランス人は、あまり他人に弱い部分を見せることをしません。しかし、仕事やプライベートでストレスや疲れはたまっていきます。そんな疲れをバカンスで癒すのもいいですが、きちんとプロの手を借りてセルフメンテナンスをする人も増えてきました。
整体に似ている人気の「オステオパシー」
フランスの街中で頻繁にオステオパシーの診療室を見かけます。オステオパシーとは整体の一種で、脊髄などの骨の歪みの調整だけではなく、内臓や頭蓋骨の不調も統括してケアしていく施術です。
オステオパシーは社会保険還付の対象ではありませんが、フランス人はとてもよく利用しています。最近は各自が加入している任意保険で一部の金額が還付されることが多くなったので、だいぶ利用しやすくなってきました。
心のケアにはカウンセリング
フランス人の会話や映画などで「ピシに行く」という表現がありますが、これは心理カウンセラーの所に行くという意味です。ピシとはピシコローグ(psychologue)の略です。身体の不調は身体と心のズレからきているので、心のメンテナンスに専門家のサポートを受けるのです。
フランス人にとってカウンセリングは身近となっているようで、心のモヤモヤや心配事は一人で抱え込まず専門家の力を借りて解決するのがフランス流なのです。
まとめ
フランスで心と身体のケアに人気がある代表的なものをご紹介しました。人生を楽しむために体のコンディションを保つことは大切ですよね。合理的にものを考えるフランス人は、プロの手をしっかり借りながらセルフメンテナンスを行っています。
執筆YUKO