パリ散策の穴場!個性的な建築と緑のオアシス・パリ国際大学都市

2026.02.13

入口にそびえるMaison Internationale

パリ南部14区にあるパリ国際大学都市(Cité Internationale Universitaire de Paris、通称Cité Universitaire)は、世界各国から来た留学生や研究者などが住むユニークな学生寮都市です。2025年に100周年を迎えたこの場所は、広大な敷地の中に特徴的な建物が連なり、文化・建築・歴史が交差した独特の雰囲気を持っています。今回は、誰でも入れて春の散歩にもうってつけのパリ国際大学都市についてご紹介します。

 

パリ国際大学都市 Cité Universitaireとは

Cité Universitaireの広大な敷地

パリ国際大学都市は第一次世界大戦後、若者同士の交流によって国家間の対立を乗り越えて平和を促進しようという理念のもと、各国の学生が同じ場所で暮らし互いを理解する場として創設されました。

ここにはさまざまな国が自国の留学生などのために建てた学生寮(Pavillon)が並んでいます。私が訪問した2025年の時点で、東京ドーム約7個に相当する約34ヘクタールの敷地に43の建物があり、150以上の国籍の約12,000人が生活しているとのことでした。まだ建設途中の建物もあったので、今後も規模拡大が予想されます。

住人間の交流を促す観点から、各国の寮には自国以外の学生を一定数受け入れる規定があります。実際、私のカナダ人の同僚は、学生時代はギリシャ館に住んでいたそうです。世界的指揮者の小澤征爾はイギリス館にいたといいます。

なお「学生寮」といってはいますが、現在では大学教員や研究者、芸術家なども受け入れているようです。

いろいろな様式の建物がゆったりと間隔を空けて建てられている

 

さまざまな建築と憩いの場が融合

敷地内には学生寮のほか、図書館・劇場・レストラン・カフェ・スポーツ施設・展示室・文化イベントスペースなどさまざまな施設があります。特に入口にある「Maison Internationale」はこの大学都市の歴史を紹介する展示室やショップとともに、さまざまな文化交流イベントの拠点となっています。

注目すべきは建築の多様性です。その国の有名な建築家が設計していたり、その国の特徴的なデザインをまとっていたりして、単なる学生寮にとどまらず各国の文化や建築様式を象徴する存在となっています。スイス出身の建築家ル・コルビュジエが設計を手がけたスイス館など、建築物としての価値が高いものもあります。

また敷地内の緑地スペースはパリ市内で2番目の広さといわれ、週末になれば周辺住民が犬を散歩させたりピクニックをしたりしています。「建築博物館」と「緑のオアシス」の両面の性格を持っているのが、このCitéの最大の魅力といえるでしょう。

パリ市内では珍しい広大な緑地スペースにはゆったりとした時間が流れている

 

特徴的な日本館(Maison du Japon)の歴史と魅力

Citéには日本館もあります。私見ですが、Citéの中でも特に個性的な外観なのが日本館だと思います。歴史も古く東洋の国としては初、外国のPavillonとしても4番目に古いとのこと。日本の実業家・薩摩治郎八の資金提供によって1929年に竣工しました。

独特な外観の日本館

建物を特徴づけているのは、日本建築を取り入れた設計にあります。木材を活かした装飾、引き戸、屋根瓦、日本庭園風の前庭といった和風の意匠が見られ、個性豊かな建築物が並ぶ当地でも異彩を放っています。館内にはフランスで活躍した著名な日本人画家の藤田嗣治による作品があり、文化交流の歴史を象徴しています。

現在日本館は在フランス日本大使館が管理しています。そのため学生や研究者の住居であると同時に、日本関連イベントの拠点としても機能しており、日本の文化や製品を紹介するイベントが頻繁に開催されています。

ル・コルビジェが設計したスイス館

 

文化交流の場としての大学都市

パリ国際大学都市の最大の特徴は、建物ごとに国のアイデンティティを持ちながら、同じ空間に共存しているという点ではないかと思います。各建物は学生の住居であると同時に、文化センター、国際交流の場、都市公園としても機能しています。実際に訪れてみると、国際都市パリでも普段はあまり聞かないような言語も聞かれ、平和な世界の縮図のような場所です。

平和の理念から生まれたこのCitéは、昨年で100周年を迎えました。緑に混じって建てられた特徴的な建物の間を歩いていると、一種の理想主義的な空間にいるような気がします。パリの中心部から少し離れているため観光客にはまだそれほど知られていませんが、パリの喧騒に疲れたとき、世界でも類を見ない学生都市でゆったりとした時間を過ごすのも一案かもしれません。

執筆 Takashi

オンラインフランス語学校アンサンブルアンフランセは、プロの講師によるマンツーマンのスカイプレッスンが1回1500円~受講できます。いつでもどこでも手軽に受講できる利便性と生徒一人一人にカスタマイズされた質の高いレッスンが好評です。→フランス語無料スカイプ体験レッスンはこちら メールマガジンであなたのフランス語学習をサポートする情報をお届けします。フランス語メールレッスン

Classement