2023年7月28日(金)、開催を1年後に控えるパリ五輪、その聖火リレーのパリ市内のルートと日程が発表になりました。パリ市の通過は革命記念日の7月14日と15日、聖火はパリ市20区内の全区を周ります。
聖火リレーは南仏マルセイユ発、フランス一周
4月16日にギリシャのオリンピアで点火された聖火は、27日にピレウス港を3本マストのエレガントな帆船べレムで出発し、5月8日にマルセイユ(Marseille)の港に到着します。
翌日9日、同地を出発し、そこから開会式の7月26日(金)まで、約1万人の聖火ランナーがフランス中をリレーしながら周ります。
https://youtu.be/AQxSjGjQG1U
7月14日〜15日、聖火がパリの名所を一周
パリ祭の14日から2日間、聖火はパリ20区を全て周ります。
パリの有名な名所旧跡のみならず、各地区を象徴する場所を1日120人の聖火ランナーが厳重な警備隊にエスコートされてリレーします。
聖火はシャンゼリゼ大通り(Champs-Élysées)や凱旋門(Arc de Triomphe)はもちろんのこと、バスティーユ(Bastille)、国会議事堂(Assemblée nationale)、コンコルド広場(place de la Concorde)、ヴォージュ広場(place des Vosges)など歴史的建造物や広場を通るだけでなく、グッドール(Goutte d’Or)やベルヴィル(Belleville)といった庶民的な場所も通過します。
パリの多様な側面を世界中の人々に
また、変貌を遂げるポルト・ドゥ・ラ・シャペル(porte de la Chapelle)を通ったかと思えば、自転車専用レーンが道路の半分を占めるリヴォリ通り(rue de Rivoli)、ノートルダム寺院(Notre-Dame)やパリ・モスク(Grande Mosquée de Paris)、ルーブル美術館(Louvre)や歴史あるレックス劇場(Grand Rex)などの文化施設、さらにはヴァンセンヌの森(bois de Vincennes)やビュットショーモン(Buttes Chaumont)といった自然豊かな公園も通過地点に選ばれています。
聖火ランナー達は世界中の人にパリの多様な側面を紹介しながら、1日約30km、2日間で58kmをリレーします。
平和の象徴である聖火は、リレー中、2015年のテロで多くの犠牲者が出たコンサート会場バタクラン(Bataclan)前で一旦止まり、追悼を捧げます。
14日の夜から15日の朝まで、聖火はパリ市庁舎(Hôtel de Ville)で保管され、15日の夕方パリを出発、26日の開会式に再び戻ってきます。
聖火トーチ、「未来的」なデザイン、リサイクル素材
聖火ランナーが持つ聖火トーチのデザインに、フランス人デザイナーマチュー・ルアヌール(Mathieu Lehanneur)氏が起用され、その斬新なデザインが発表になっています。
高さ70cm、直径3.5cm、重さ1.5kgのトーチは、機能性と美しさを兼ね備え、サスティナビリティの観点からリサイクルされたステンレスで作られています。
ルアヌール氏は家具やオブジェのほか、ハイテク産業デザインで世界的に知られています。
下記ビデオの左が同氏、右はフランスオリンピック運営委員長のトニー・エスタンゲ(Tony Estanguet)(元カヌー金メダリスト)
パリのどの地区に住んでいても、自宅の近所を通過する可能性が高い聖火リレー、会場に足を運ばなくても沿道で声援を送ることで、オリンピックに参加した気分になれそうです。
執筆:マダム・カトウ