フランス 今夏のフライト、ほぼ通常運行も料金は値上げ

2022.04.05

フランス今年の夏のフライトほぼ通常通り、料金は値上げ4月5日(火)、ウクライナ侵攻、コロナ禍も継続する中、過去2年間にわたり大幅な減便を余儀なくされていたエールフランスなど欧州の主要航空会社は、4月1日からのハイシーズンよりフライトスケジュールの正常化へと舵をとっています。一方、航空燃料の値上げなどで航空券の料金は値上げされています。

 

「コロナ、ウクライナ侵攻、原油高騰」の三重苦も、旅行需要増加

「疫病、戦争、インフレ」と航空業界にとっては試練が続くにもかかわらず、「旅行を控える」という人は少数派のようです。

欧州ローコスト航空会社大手イージージェット(Easyjet)のCEOヨハン・ラングレン(Johan Lundgren)氏は、「今年も1年旅行を延期するという予想を立てる人は誰もいない」と述べており、2年以上続くコロナ禍で我慢した旅行を「今年こそ実現する」傾向があることがわかります。

ドイツのルフトハンザ航空(Lufthansa)のカーステン・シュポール(Carsten Spohr)社長は、「顧客が戻ってきているどころか、旅行需要はコロナ禍以前を超える勢い」で今年の夏は「大いに期待できる」と発表しています。

 

座席供給率、コロナ前の86%越え

試練や逆風にもかかわらず、現在欧州系航空会社の提供する座席の供給量は2019年の86%で、需要の方も現時点で80%まで回復しています。

ギリシャやポルトガルなどの国にいたっては、座席供給、需要ともに2019年とほぼ同じ、もしくはそれを超えています。

フランスも昨年の夏のバカンスシーズンでは需要、供給共に92%まで回復しています。

この夏のモロッコやアメリカ行き、強気のオファー

ヨーロッパで人気である欧州外の旅行先、モロッコ、エジプト、メキシコ、インド、アメリカ、カナダへの中長距離路線も、この夏の座席供給量は、2019年比で85%、時には100%に達しています。

今年の4月〜9月の座席供給率は、エールフランスが92 %、ルフトハンザ航空が87 %、ブリティッシュエアウェイズ(British Airways)91 %、スペイン、イベリア航空 (Iberia)94 %、イージージェットは97 %といずれもほぼコロナ以前のレベルに戻っています。

中には大幅な増席を図っている航空会社もあります。

ハンガリーのローコスト航空ウィズエアー(Wizz Air)はコロナ禍前の144 %、同じくローコストのライアンエアー(Ryanair)は112 %となっています。

 

航空券料金、航空燃料高騰で各社値上げ

「格安航空券で気軽に旅行」、コロナ前には当たり前だったことが今年はそうではなくなりそうです。

民間航空Direction générale de l’aviation civile (DGAC)によると、2022年2月のフランス発の航空券の料金は、2021年同月に比べ平均して7%も値上がりしています。

これは2017年に統計を取り始めて以来最大の値上げ幅になっています。

ちなみに値上がりはすでに昨年12月から顕著になり始め(5.2 %増)、今年に入り1月も5.7 %と上昇傾向が続いています。

ポストコロナの需要増、原油高でとどめ

欧州では、EU加盟国内の移動に関する規制緩和で旅行需要が増えたため、昨年のクリスマス休暇ごろから航空料金が値上げされています。

アメリカでもコロナの感染減で国内の旅行需要が増え、平均して12%も航空券の料金が値上げされています。

そこに原油価格高騰が加わり、1ヶ月で30%、1年で50%も値上がりしています。

フランス海外県行き航空券、20%アップも

航空便の運航にかかる費用のうち、燃料費は長距離で35%〜45%、中距離で25%〜35%を占めているため、その値上がりは料金に直撃します。

フランス本土とフランスの海外県および海外領土(マルティニーク:Martinique、グアドループ:Guadeloupe、フランス領ギアナ:Guyaneなど)を結ぶ路線の多くを運行するフランスの航空会社エアーカライブ(Air Caraïbes)航空は、燃料高騰分をそのまま航空代金に転嫁し、料金を15%〜20%値上げしています。

エールフランス航空もエコノミークラス40ユーロ値上げ

エールフランス航空は、3月17日よりエコノミークラスを40ユーロ(約5,400円/1ユーロ=約135円)、プレミアムエコノミークラスを50ユーロ(約6,750円)、ビジネスクラスを100ユーロ(約13,500円)値上げしました。

同社はすでに今年の1月にバイオ航空燃料を燃料の1%に利用することから、エコノミークラスで1〜4ユーロ(約135円〜灼540円)、ビジネスクラスで12ユーロ(約1,620円)の追加料金を導入しています。

 

2022年、空港税も値上げ

コロナ禍でコストが増えたにもかかわらず、利用者の大幅減で収入が激減したパリ空港公団(ADAP)の債務は2022年時点ですでに30億ユーロ(約4,044億円)にも膨らんでいます。

主に空港の改装費用などの投資に当てられたこの債務返済のため、すでに外国籍航空会社の空港使用料を30%値上げすることが検討されています。

さらに、利用客が航空券代と共に支払う空港使用税も15%ほどの値上げがすでに決定されており、航空代金のさらなる値上げに繋がりなります。

執筆:マダム・カトウ

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