フランス人宇宙飛行士 トマ・ペスケさん地球に無事帰還

2021.11.09

フランス人宇宙飛行士ペスケさん無事地球に帰還11月9日(火)、本日フランス時間朝4時33分、国際宇宙ステーション(SSI : Station spatiale internationale)で6ヶ月の任務を終えたフランス人宇宙飛行士トマ・ペスケ(Thomas Pesquet)さんを乗せた「クルー・ドラゴン」と呼ばれる民間の帰還船が無事メキシコ湾のフロリダ沖に着水しました。

 

200日間無重力、宇宙でフランスを代表できて「光栄」

今年の4月24日に地球を飛び立って以来、約200日間を宇宙空間で過ごした43歳のペスケさんは、帰還船ドラゴンの出発前に「今回も宇宙でフランスを代表できて光栄です。次は月かな?」とツイートしました。

3回目の任務を無事終えたペスケさんですが、2016年及び2017年はロシアの宇宙船ソユーズ(Soyouz)で帰還し、カザフスタンのステップに「着陸」していますので、「着水」したのは今回が初めての経験となります。

着水後、すぐにフロリダ沖に待ち構えていた船が巨大なカプセル状の宇宙船を回収し、スタッフがペスケさんと3人の宇宙飛行士を一人ずつ抱えて運び出しました。最後に現れたペスケさんは疲れている様子ですが笑顔を浮かべてグッドサインをし、他の飛行士達とともにヘリコプターで陸に向かいました。

ペスケさんと共に地球に戻ってきたのは、日本人宇宙飛行士星出彰彦さん、アメリカ人のメーガン・マッカーサー(Megan McArthur)さん、シェーン・キンブロー(Shane Kimbrough)さんの4名で、到着後飛行機でテキサス州ヒューストンにあるNASA(アメリカ航空宇宙局)に移動し、最初の身体検査を受けることになっています。

 

着水まで8時間半、地球をぐるぐる周回

今回の帰還に使用されたのは、イーロン・マスク氏率いるスペースX社製の帰還船「クルードラゴン」で、帰還にかかった時間は約8時間半でした。

地球への飛行開始地点は地上から約400kmほどの位置になりますが、宇宙船を着陸地点の上空に位置づけるため地球の周りをぐるぐる周回します。

位置が定まり下降する段階になると、宇宙船は徐々に「ブレーキ」をかけながら下降速度を時速28,000kmから着水時のゼロにまで落としていきます。

大気圏内に入ると宇宙船は炎に包まれ外の温度は1000度に達します。この間約10分ほど地上とのコミュニケーションが遮断され、その後すぐにパラシュートが開きます。

クルーズドラゴンは宇宙飛行士のほか、宇宙での貴重な実験に使用された約240キロの機材も積まれていました。

 

宇宙は素晴らしい所、帰還「嬉しいような、寂しいような」

アメリカでの検査が終わると、ペスケさんはドイツのケルンにある欧州宇宙飛行士センター(Centre européen des astronautes)に移動し、そこで3週間の間地球の重力に慣れるためのリハビリを行いつつ、一連の科学的な検査を受けます。6ヶ月もの長い間宇宙で過ごすことが人体に与える影響を調べるためです。

この間ペスケさんは家族や親しい友人に面会することができますが、調査観察期間が終わった後ようやく休暇に入ります。

宇宙出発前のインタビューで、長い準備期間をふくめ数ヶ月に及ぶ任務の内容が大変濃かったことから「もう何年も休暇を取っていないような気がする」とコメントしていました。

地球を1時間半で一周

ペスケさんは、地球への帰還は「甘くて苦い」とツイートし、「嬉しいような寂しいような」心境を表現しています。

また、宇宙は「アクセスがほぼ不可能な素晴らしい所で、人間の自分に空を飛んだり、地球を1時間半で1周する超人的な力を与えてくれた。」と語り、「まるで白昼夢のよう」とその半年間の経験を例えています。

ちなみに、ペスケさんのツイッターには130万人ものフォロワーがおり、また地球に戻る前から今後の様々なコラボレーション依頼が多く寄せられています。

執筆:マダム・カトウ

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