3月22日(水)、フランスのミシュラン・ガイドが、2022年版のレストランガイドを発表しました。フランス南西部のコニャック(Cognac)の街で授賞式が開催され、新しく2つのレストランが三ツ星を獲得しました。
授賞式は「芸術と歴史の街」コニャックで
昨年はコロナ禍により、エッフェル塔での授賞式がオンラインで配信されたのみでした。今年はコニャックの授賞式に200名のシェフが参加し、これは初めてパリ以外の街での開催となりました。
Guide MICHELIN France 2022 : toutes les nouvelles étoiles : https://t.co/eV2nNM6gF6
— Le guide MICHELIN (@guideMichelinFR) March 22, 2022
初の三ツ星に2店、二つ星に6店、一つ星は41店
今年度の格付けで初めてミシュラン入りを果たしたレストランは、以下の通りです。
〈三ツ星〉
・【パリ1区】プレニチュード シュヴァル・ブラン・パリ(Plénitude – Cheval Blanc Paris):アルノー・ドンクレ(Arnaud Donckele)
・【カシス(Cassis)】ラ・ヴィラ・マディ(La Villa Madie):ディミトゥリ・ドロワスノー(Dimitri Droisneau)
〈二ツ星〉
・【ボム(Bommes)】ラリック(Lalique):ジェローム・シリング(Jérôme Schilling)
(2019年に一つ星入りからの格上げ)
・【ニーム(Nîmes)】デュアンド(Duende):(Pierre Gagnaire)
(2021年に一つ星入りからの格上げ)
・【パリ1区】パレ・ロワイヤル・レストラン(Palais Royal Restaurant):ダヴィッド・ビゼ(David Bizet)
(2017年に一つ星入りからの格上げ)
・【パリ12区】ターブル(Table):ブルノ・ベージュ(Bruno Verjus)
(2018年に一つ星入りからの格上げ)
・【パリ16区】ロワゾー・ブラン(L’Oiseau Blanc):ダヴィッド・ビゼ(David Bizet)
(2020年に一つ星入りからの格上げ)
・【モナコ(Monaco)】ル・ブルー・ベイ(Le Blue Bay):マルセル・ラヴァン(Marcel Ravin)
(2015年に一つ星入りからの格上げ)
三ツ星の2店、シェフはノルマンディー出身
実力者のドンクレ氏
今回初めて三ツ星を獲得したシェフは、二人ともノルマンディーの出身です。
パリ1区のセーヌ河畔でプレニチュード シュヴァル・ブラン・パリのシェフを務めるドンクレ氏は、フランス南部のリゾート地であるラングドック・ルションの名匠ジル・グジョン氏(Gilles Goujon)や、パリ8区のこちらも名匠アラン・デュカス(Alain Ducasse)氏のもとで学びました。
すでに南仏のサン・トロペ(Saint-Tropez)にあるレストランラ・ヴァーグ・ドール(La Vague d’Or)は三ツ星を獲得している実力者です。
パリへの進出は昨年9月、LVMHグループの経営するホテルであるシュヴァル・ブラン(l’hôtel Cheval Blanc)の中のレストランで、開店当初から評判が高く、今回初めてのミシュラン入りながらも三つ星を獲得しました。
ドンクレ氏は授賞式で「パリに進出したときは、周りに名店しかなかった。こんなに早く達成できるとは思わなかった」と驚きと歓喜を示しました。
「パラダイス」に移住したドロワスノー氏
またドロワスノー氏は、2013年に妻と地中海沿いの街カシスに移住し、ラ・ヴィラ・マディを開店しました。
自ら「パラダイス」というレストランは、地中海がまさに目の前に広がるテラスです。こちらも初めてにミシュラン入りにして、一気に三ツ星を獲得しました。
美食レストランだけではない!いろいろなミシュラン
ミシュラン・ガイドは、格付けのカテゴリを多様化しています。
グリーンスター 新しく6店に
2020年版から新しく追加されたカテゴリ、ミシュラン・グリーンスター(l’Étoile Verte MICHELIN)は、サステナビリティに配慮したレストランに贈られます。
例えば日本の支笏洞爺から名をとったというレストランLe tao de Toya は、フランス北東部のフォルクモン(Faulquemont)にあり、近くの湖で取れた魚を「活け〆」にするなどの取り組みで知られています。
他にはキッチンでプラスチック製品を廃止、化学製品を不使用、自家畑と近郊の畑でとれた野菜のみを使用するなど、サスティナブルな調理を行うほか、生産者の支援なども行っています。
サービス、ソムリエ…もちろんパティシエも
他にも、おもてなしとサービスの良いレストランに贈られる賞(le Prix MICHELIN de l’Accueil et du Service)や、ソムリエ賞(Prix MICHELIN de la Sommellerie)があります。31歳以下のシェフには新人賞(prix du Jeune Chef)、そしてデザートの欠かせないフランス、もちろんパティシエ賞(la Promotion Passion Dessert)もあり、これまでに46店が格付けされています。
今年新設されたのは、飲食関係の仕事とキャリアの継承に貢献した人に贈られる賞(le prix du Chef Mentor)で、パリ1区のマンダリンオリエンタルホテルの中にあるレストラン(Sur Mesure)のシェフであるティエリー・マークス(Thierry Marx)氏が選ばれました。
コスパ重視のミシュランも!
ミシュランは敷居が高い…という方には、お手頃な価格で美食を楽しめるレストランの格付けも用意されています。
ミシュラン・ビブグルマン(Bib Gourmand)は、パリでは39ユーロ、パリ以外では35ユーロ以下でフルコースを食べられるレストランの中から選ばれ、今年も新たに33店がランク入りしすでに449店が格付けされています。是非下のリンクからご確認ください!
執筆あお
参照
Guide MICHELIN. Guide MICHELIN France 2022 : toutes les nouvelles étoiles
Guide MICHELIN. Guide MICHELIN France 2022 : la liste complète des étoiles
Guide MICHELIN. Guide MICHELIN 2022 : quelles sont les 6 nouvelles Étoiles Vertes ?
Guide MICHELIN. Bib Gourmand France 2022 : toutes les nouveautés