7月20日(火)、今週23日より開催の東京オリンピックを前に、フランス政府は前回のリオ五輪で42個と過去最高のメダル数でしたが、今回も同等のメダル獲得を目指していると明らかにし、今大会よりメダルを獲得した選手に国から授ける報奨金額を増額すると発表しました。これにより金メダルをとった選手には65,000ユーロ(1ユーロ=約130円/約845万円)の報奨金がフランス政府から支給されます。
東京五輪メダル獲得目標40個、ボーナス増額でパリ五輪に繋げる?
2016年のリオ大会で、フランスチームは金メダル10個、銀メダル18個、銅メダル14個、合計42個を獲得しています。これは2008年の北京オリンピックの時より1個多く、戦後の最高記録を更新しました。
フランス教育庁付スポーツ担当大臣を務めるロクサナ・マラシネアヌ(Roxana Maracineanu)氏は、「東京五輪では40個のメダル獲得を目指している」と発表しています。
更に、3年後にパリ五輪を控えているフランスとしては、オリンピックのメダル獲得ランキングで「現在の7位よりさらに上を目指さなくてはならない」と今回の五輪におけるフランスチームの活躍の重要性を語っています。
こういった目論見もあってか、東京五輪に参加する378人のフランス人アスリートおよびパラアスリート達にベストを尽くしてもらうため、今回メダルを獲得した選手に国が支給する報奨金の額が見直されました。
元メダリストのスポーツ相、報奨金は「最低限」の報い
ちなみに、報奨金額が見直されたのは2008年以来初めてで、実に13年ぶりとなります。
自ら背泳の選手として活躍し、2000年のシドニー大会の背泳で銀メダルを獲得したマラシネアヌ氏は、「全ての選手がプロとして年間契約を持っているわけではなく、オリンピックの報奨金が過去4年間行ってきた努力と、そのために払った多くの犠牲に対する唯一の対価であったりします。それを考えると、金メダルをとった選手にとって65,000ユーロは大した金額ではありません」と、経験者としての過去を振り返るかのように語っています。
そして、国が報奨金を支払うのは(国として)彼らの努力を讃え、謝意を表明するために「最低限」行う事と述べています。
今大会からメダル報奨金も所得税対象に
金メダリストには前回のリオ大会時より15,000ユーロ(約195万円)も多い65,000ユーロのボーナスが支給されます。銀メダルは25,000ユーロ(約325万円)、銅メダルは15,000ユーロで、前回はそれぞれ20,000ユーロ(約260万円)、13,000ユーロ(約169万円)でした。
報奨金を受け取るのは選手だけでなく、メダリストのコーチにもその半額が支給されます。更にメダリストを生み出した種目のスポーツ連盟には、政府の出先機関であるフランススポーツ協会(ANS:Agence nationale du sport)より35,000ユーロ(約455万円)の報奨金が支給されます。
メダリストを輩出するという功績に貢献した人達や組織を報奨することで、その種目のさらなる強化を促すことが目的です。
しかし特記すべきは、これまで非課税だったこのメダル報奨金ですが、今大会より課税対象になります。
執筆:マダム・カトウ