コロナウイルス感染者数の再増加を受け、フランスでは11月22日(月)の週より、約6,000の学級が閉鎖しています。また、今週末から北東部ストラスブールでクリスマスマーケットの開催が予定されていますが、コロナパスポートの提示義務などの感染対策措置は未だに議論中です。
学級閉鎖のクラス急増
11月頭の秋休みを終えたフランスの学校では、コロナウイルスの感染拡大を受け、学級閉鎖が急増しています。先週末には4,048のクラスが閉鎖しており、うち3,975クラスが小学校、71クラスが中学校そして2クラスが高校で、とくに小学校での感染が急拡大していることがわかります。
秋休みの後にはさらに増加し、22日からは合計約6,000クラスが閉鎖しています。感染者数が大きく増加しているのは、レンヌ(Rennes)、ランス(Reims)、ディジョン(Dijon)などで、いずれも先週より学級閉鎖するクラス数が10倍以上になっています。
現在、遠隔授業を実施しているのは1,246クラスで、学習進度の遅れなどが心配されています。
なおフランスでは11月8日以降、閉鎖しないクラスも含めすべての小学校でマスク着用が義務付けられています。
クリスマスマーケットの感染予防措置はいかに
アルザス地方の中心都市ストラスブール(Strasbourg)では毎年、11月末から1ヶ月間、クリスマスマーケット(マルシェ・ド・ノエル marché de Noël)が開催されます。
毎年多くの観光客が訪れますが、ここ数年は例年通りの開催ができていません。2018年度はテロ襲撃、2019年度はテロへの厳重警戒体制のもと実施、そして2020年度はコロナウイルスの感染拡大により中止となりました。今年こそ無事に開催することが望まれています。
経済復興の期待かかるも
無事に開催される場合には、期間中に150万人が訪れ、2億5000万ユーロ(約323億円:1ユーロ129.23円で換算)の経済効果が期待されています。
しかし、感染状況は予測不可能で、どのような感染措置を実施するかについても未だに議論が続いているようです。
とくに県庁(préfecture)や市庁(mairie)は、感染者数などの最新の情報によって臨機応変に判断をすることになります。地域の経済的な復興もかかるだけに、慎重かつ迅速な議論が必要です。
コロナパスポートの提示は議論中
クリスマスマーケットは11月26日から12月26日まで1ヶ月間の予定で、ゾーン内では、マスク着用は義務付けられます。ただしコロナパスポートの提示については、毎日、広範囲のゾーン内で逐一チェックするのは厳しいとの意見が強いです。
決定しているのは、出店予定の約300のスタンドすべてにアルコール消毒液を設置すること、また、スタンド間の間隔を広くとり、人流を抑制することです。
飲食は決められた場所のみで
開催が3日後にせまった23日(火)には、マーケットの開催されるゾーン内での飲食について、コロナパスポートの提示を義務付ける方針を発表しました。
現在のところ、76のスタンドが飲食物を販売する予定で、多くの人がゾーン内で食事や飲酒をすることが見込まれています。しかし、エリア内のイートインコーナーでのみ、飲食が許可され、そこにはコロナパスポートがない場合には入ることができません。
ドイツではクリスマスマーケット中止も
フランスと並び、コロナ感染が再拡大しているドイツでは、ミュンヘンや、ザールラントの多くの街が、今年度のクリスマスマーケットを中止することを発表しています。
フランス政府内でも、こうした隣国の動きに合わせて開催を見合わせる意見がありましたが、ストラスブールの地元当局は開催の方向に向かっています。
なおコロナウイルスの感染のみならず、テロ対策も重視され、700名以上が警備にあたる予定です。
執筆あお
参照 Saarbräcker Zeitung (24. Nov. 2021)