ボジョレーヌーボー2020、ロックダウン下のフランスで解禁

2020.11.20

ボジョレーヌーボー ロックダウン中のフランスで解禁

11月20日(金)、今年も毎年恒例のボジョレーヌーボーが、11月の第三木曜日にあたる昨日19日(木)に解禁になりました。フランスではロックダウンによりレストラン、カフェなどが全て閉店し、個人のパーティも禁止されている中、販売業社や生産者は日本への輸出も含め売り切りを目指しています。

 

好天気で収穫早く、今年はクオリティー高い「当たり年?」

今年は4月〜5月の気温が高く、夏は猛暑だったことから収穫が例年よりも早かったボジョレーヌーボーですが、お味の方は「今年の出来は大変よく、色も透明感がありフルーティで、多くの人に気に入ってもらえるでしょう。タンニンが凝縮されているので、すぐに飲まず保管しても大丈夫」とか。

ロックダウン中の解禁、街はひっそりと

毎年この時期になると、生産地では出荷のパーティが行われ、巷のカフェやレストランではブドウのデコレーションが施され、ちょっとしたお祭り気分が味わえます。

普段ボジョレーを飲まない人も「話の種」にカフェで友人と集まって飲んだり、会社の同僚とランチで飲んだりするのですが、今年は家で静かに飲むことになりそうです。

とはいえ、生産者や販売業社はなんとか盛り上げようと、宅配で店を開けている数少ないレストランやロックダウン中も営業が許可されているワインショップ等は、店頭で大きく宣伝しています。

フランスの農業食品大臣(Ministre de l’Agriculture et de l’Alimentation)、ジュリアン・デゥノルマンディ(Julien Denormandie)氏も農業省で試飲するなど、コロナ禍のワイン業界を支援しています。

今年も170,000ヘクトリットルが生産され、2000万本が販売されますが、ボジョレーヌーボーの生産量は年々減少しています。

5年前の2015年の生産量は193,000ヘクトリットルで、2570万本が販売されました。

 

ボジョレーヌーボーを一番飲んでいるのは、日本人

今年はレストランなど飲食業への販売が壊滅的なため、フランス国内市場の売り上げは家庭での消費頼みになりますが、実は毎年ボジョレーヌーボーの約40%は輸出されています。

そして、その3分の1が日本向けに出荷されており、その数は毎年約700万本に上ります。

パリ及びその郊外のイル=ド=フランス(Île-de-France)地域圏における消費量が2014年で110万本でしたので、パリジャンより多くの日本人がボジョレーヌーボーを飲んだことになります。

フランスワイン最大の輸入国はアメリカ

2018年の統計では、フランスワイン最大の輸出先はアメリカで、輸出量全体の18%に当たります。第二位はイギリスの13%、日本は中国やベルギーのすぐ後ろの第6位となっていることからも、日本でのボジョレーヌーボー人気がいかに高いかがわかります。(出典:FranceAgriMer)

ちなみに2位のイタリアを引き離してダントツ世界一のワイン輸出国フランスですが、2019年は約200カ国に向け2000億本が輸出されています。これは金額にして約130億ユーロ(約1兆6000億円/1ユーロ=約123円)にも上ります。

 

新しい?ボジョレーヌーボー、日本向けに開発

ボジョレーヌーボーは、ガメイ(Gamey)という品種のブドウで作られた「赤ワイン」に限られていましたが、2006年ごろからこの品種を使ったロゼワインの開発が「ひっそりと」進められました。ボジョレーヌーボ最大の輸入国日本では赤ワインは「重たい」と思われる傾向があり、白ワインを好む人の方が多いからかもしれません。

そして、2016年にはボジョレーヌーボーのロゼ第一号が日本で販売されています。

「伝統」を守るフランスではお目にかかることはないと思われるヌーボーのロゼ、日本にお住まいの方は「伝統の赤」と併せてぜひお試しください。

執筆:マダム・カトウ

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