フランス ロックダウン続行も行動制限軽減へ 本日大統領発表に注目

2020.11.24
2回目のロックダウン中のシャンゼリゼ

2回目のロックダウン中のシャンゼリゼ大通り11月23日撮影

11月24日(火)、10月末に再導入されたロックダウンの期間は約1ヶ月、12月1日までと予定されていました。昨日1日の感染者数がようやく目標値の5000人を切り、第二波が収束に向かいつつある中、本日フランス時間20時にマクロン大統領はテレビ演説を行い、待ち望まれた個人商店の再開や20日からのクリスマス休暇等、今後について発表します。

 

死者5万人、1回目のロックダウン解除《失敗》に非難、政府「努力を無駄にしないため」慎重姿勢崩さず

フランス政府は、今年3月中旬から2ヶ月に及んだ第一回目のロックダウン解除時期が「早すぎた」、「解除方法が緩すぎた」ため、現在1日の死者は500人を超え累計でほぼ5万人に達し、感染者がピークで6万人という予想以上に厳しい第二波となったことから、ロックダウンを再導入せざるを得ない状況になったと非難を浴びています。

そのため、現在行われている第2回目のロックダウンの解除にはことさら慎重になっています。

 

ロックダウン解除は3段階で

政府報道官のガブリエル・アタル(Gabriel Attal)は、新聞社JDD(Le Journal du Dimanche)のインタビューに答え、「ロックダウン解除は段階的に行われ、第一回目は予定されていた期日の12月1日、2回目はクリスマス休暇開始の20日頃、3回目は1月に入ってから」と、3回に分けて「軽減」すると述べました。

また、昨日23日、ラジオFrance Infoのインタビューでは、環境相バルバラ・ポンピリ(Barbara Pompili)が「ロックダウン解除はない」と断言していることからも、今回の発表は「解除」宣言ではなく「軽減」に留まると既に多くのメディアで発表されています。

よって、本日の大統領演説ではどこまでの軽減が言及されるか、注目を集めています。

 

行動制限は続行、移動範囲などを拡大か?

現在のロックダウンによる行動制限では、移動は自宅から1km、生活必需品の購入や散歩、軽い運動に限られていますが、住んでいる場所によっては近所に公園や森がないなど条件が異なります。屋外の方が感染リスクが少ないにもかかわらず、欧州におけるフランスの行動制限は最も厳しく、次に厳しいアイルランドでも5km以内であることからも、軽減を要求する署名運動も起こっていました。

 

12月1日頃から商店再開

商店の年間売り上げの60〜70%を占めると言われるクリスマス商戦の残り時間が刻一刻と過ぎていく中、商店主が待ち望む「生活必需品以外を販売する商店」の再開が発表されます。

現在閉店している商店の中でも、特にロックダウンの影響で経営難に陥っているファッション関係やおもちゃ屋などは、この機会を逃すと個人商店の倒産が相次ぐと言われています。

長引く閉店に個人商店組合は「ブラックフライデー」(11月最後の金曜〜週末に行われるクリスマス前の大きなセール、今年は11月27日開始予定でした)に合わせての再開を陳情し、経済大臣ブリュノ・ルメール(Bruno Le Maire)も支持を表明していましたが、最終的にブラックフライデーは「延期」が決定されました。(注)(ちなみに延期後の日程は発表されていません)

 

クリスマス休暇に、おじいちゃんおばあちゃんとの会食はオススメしない

カステックス首相(Jean Castex)は、12日時点の記者会見で「クリスマスを家族で過ごせるようにしたい」と語っていたように、今回の発表ではクリスマス休暇期間は行動規制が緩和され、帰省が可能になると予想されます。

首相は、新型コロナウイルスは家族や友人など個人の集まりでの感染が最も多いことから、都会から帰省した無症状の若者による高齢者への感染を警戒し、「数十人などの大人数で集まらないように」と呼びかけています。

ただし、個人が自宅で何人で集まるかを政府が制限することに関しては、4月末に憲法違反であると判断されていることから、強い推奨にとどまっています。

違法パーティ急増、年末のカウントダウンパーティも大人数は控えて

今回のロックダウンでは、フラストレーションの溜まった若者による「違法パーティ」が急増しています。

エアビーアンドビー(airbnb)で一軒家を借り、バーカウンターを設置するなどプロ並みのオーガナイズで毎週末行われていたあるパーティでは、SNSを通じて300人もの若者がマスクもせずに集まり、感染リスクのみならず、喧嘩、騒音被害で警察が出動するなど大きな問題になっています。

そのため直近では年末年始のカウントダウンパーティが特に警戒されます。

(注)フランスでは、「競争の公平性」という観点から、商店で行う「ソルド」(Soldes)といった大きなバーゲンセールに法的規制が導入されています。

執筆:マダム・カトウ

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