フランス クリスマスはスカイプで〜2回目の緩いロックダウンに医師ら警鐘、感染者1日58,000人

2020.11.06

フランス クリスマスはスカイプで コロナ感染1日58,000人で

11月6日(金)、フランスにおける1日の新型コロナ感染者数は昨日58,046人と過去最高となり、死者は新たに363人が確認されています。現在、入院患者は28,426人、集中治療室には4,230人が入院しており、一部の地域で病院の逼迫が顕著になっています。その為、第一線で治療にあたる医師らから、2回目のロックダウンが緩すぎるという声が上がっています。

 

入院患者数1週間で4割増、11月20日には現在の2倍に?!

フランス公衆衛生庁(Santé publique France)が毎週発表する新型コロナの感染状況によると、10月26日〜11月1日の1週間で、新型コロナ関係で救急病院に運ばれた患者数が前の週から28%も増加しています。

一般病棟および集中治療室に入院する患者数も、1週間で43%増となり、このままのペースで行くと11月20日には、現在の2倍となり、フランス全土で一般病棟に50,000人が、集中治療室に8,000人が入院すると予想されています。

南仏からブルターニュ地方へ医療搬送、危機的状況なら再びドイツへ

病院の逼迫は特に感染者の多い南仏で顕著となり、10月末から今週にかけて、南仏プロヴァンス=アルプ=コートダジュール地方(Provence-Alpes-Côte d’Azur)の集中治療室の入院患者20人が、感染者の少ない西フランス、ブルターニュ地方(Bretage)の複数の病院に医療搬送されました。

今後、国内の病院が逼迫すると前回同様ドイツなど隣国への搬送も必要になってきます。

重症患者65歳以上が急増、死者増加へ

感染者に若年層が増える一方で、重症患者における65歳以上の割合は65%を占めています。

この層の1週間の入院患者数は、9月上旬と比べると10倍にも上り、重症化した高齢者の入院増により、死者も僅か1週間で45%増加しました。

 

ロックダウン《緩すぎ》で、感染ピーク《長期間高止まり》懸念

現在行われている2回目のロックダウンでは、学校は開校、工場は稼働し一部のケースで出勤も許可、医療介護施設への訪問も可能で役所もオープンしていおり、ほぼすべての社会経済活動が停止した前回と比べ、かなり緩いものとなっています。

フランス公衆衛生庁最高責任者のジェローム・サロモン(Jérôme Salomon)氏は、今回のロックダウンは緩すぎて、「感染ピーク感染者数も前回より高く、期間も前回より相当長いものになる」と警鐘を鳴らしています。

今年春、3月中旬から行われたロックダウンでは、4月の再感染率が0.7 となりましたが、サロモン氏は、「今回のロックダウンではせいぜい0.9になるのが関の山となるだろう」と悲観しています。

 

今年のクリスマスは忘れて!パリの感染症専門医

今回のロックダウン導入時、フランス政府は、国民が一斉に帰省などで移動するクリスマス休暇(12月19日から1月3日)までに、感染者数を1日5000人までに抑え込むことを目標にしていました。

10月中旬からの感染者急増を受け、まずは夜間外出禁止などの対策を講じたものの、感染の勢いは止まらず、結局12月1日までの予定でロックダウンが導入されました。

そして現在、ロックダウンの延長がほぼ確実と見られています。

オリヴィエ・ヴェラン(Olivier Veran)連帯・保健大臣は、すでに「通常のクリスマス休暇にはならないだろう」と発言しています。

クリスマス年末年始の《民族大移動》は致命的

パリ、トゥノン病院(Hôpital Tenon)の感染症部門の責任者を務めるジル・ピアル(Gilles Pialoux)医師は、テレビのインタヴューに答え、「クリスマスを通常通りに祝う事は忘れた方がいい。(辛いだろうが)でも、それは2021年の1年間を台無しにしないためだ」と、年末年始に国民が大移動する事が「致命的になる」と危機感を募らせています。

氏はさらに、「今年のサンタクロースは、スカイプになるだろうが、今この苦い薬を飲まなくてはならない事が、決して罰則ではないとフランス国民に分かってもらわなくてはならない」と、強く訴えました。

フランス政府は、現在行われているロックダウンの強化を検討しています。

執筆:マダム・カトウ

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