26日(木)、フランスのジャック・シラク(Jacques Chirac)元大統領が死去したと、遺族が明らかにしました。享年86歳でした。
ジャック・シラク元大統領
シラク元大統領は、 1974年から1976年までヴァレリー・ジスカール・デスタン(Valéry Giscard d’Estaing)元大統領の下で、1986年から1988年までフランソワ・ミッテラン(François Mitterrand)元大統領の下で、それぞれ首相を務め、その後、1995年から2007年までフランス第22代大統領およびアンドラ公国共同大公を努めます。
大統領選に当選した直後に、包括的核実験禁止条約の締結を前にして、南太平洋のムルロア環礁で数回にわたり核実験を強行したことで、世界中から「駆け込み実験」と非難を浴びたことでも知られています。
退任後も高い人気を誇る
2007年に大統領を退任した後は、アメリカのバラク・オバマ(Barack Obama)元大統領から任期中の助言を求められるなど、人望が厚く、2009年に行われた政治家の人気調査では、74%を獲得し1位となり、フランス国民からの信頼も集めています。
多くの疑惑も
一方、2007年にカナール・アンシェネ(Le Canard enchaîné)紙によって、日本の旧東京相和銀行に巨額の隠し財産を持っていたと報じられたり、パリ市長時代に職員を架空に雇用していた疑惑で捜査の対象になるなど、疑惑が多いことでも知られています。
大の親日家
来日時には必ず温泉に入浴をすることや、愛犬の名前に「スモウ」と名付けるなど、親日家としても有名です。また、大の相撲ファンとしても知られ、相撲の仕切りについて「戦いの前に、二人の力士が互いににらみ合う視線よりも強いまなざしを私は知らない」と語っています。
2011年には、フランスのメディアによってアルツハイマー病を患っていると報じられました。
最期は、家族に見守られながら安らかになくなったということです。
日本とフランスをつなぐ大きな架け橋になったシラク元大統領。今日、これほどまでにフランスで日本文化が愛され続けているのは、シラク元大統領の影響が大きいのかもしれません。
シラク元大統領に、追悼の意を表します。
執筆:Daisuke