電動キックスケーター、9月から歩道での利用が禁止に

2019.05.06

4日(土)、現在フランスを始めとするヨーロッパ各国で大ブームとなっている電動キックスケーター(和英:kickskater/仏:trottinette électrique)に対し、9月以降歩道での使用が禁止になる、とエリザベート・ボルヌ(Elisabeth Borne)運輸大臣(La ministre des Transports)が発表しました。違反者には135ユーロ(およそ16,700円/1ユーロ:123円計算)の罰金が科せられます。
※英語ではキックスクーター、kick scooter。一般的に使用されるキックボードは商標

 

フランス各地で大ブームの電動キックスケーター

現在、フランスなどのヨーロッパ諸国の大都市では、個人が所有するものから、スマートフォンのアプリで手軽に利用することができるシェア電動キックスケーター(trotinette électrique en libre-service)まで、電動キックスケーターが一大ブームを巻き起こしています。

特にシェア電動キックスケーターは、自分の近くに置いてある電動キックスケーターを専用アプリの地図上で検索し、簡単な手続きで使用することができ、使用後は好きな場所に乗り捨てることが出来るという手軽さから、業者、利用者共に急増しています。

利用者急増によるトラブルも多発

一方で、利用者が急増したことにより、歩行者との接触事故や車両との接触事故、更に歩道に放置された電動キックスケーターによる通行妨害や美観への影響など、さまざま問題点が指摘されていて、市民から改善を要求する声が上がっていました。

 

9月からは歩道での使用は禁止

これらの問題を受け、内務省(Ministère de l’Intérieur)と運輸省(Ministère des Transports)は協議を重ね、電動キックスケーターの規制に向けた法令の草案を国家規格評価評議会(Conseil national d’évaluation des normes)および国務院(Conseil d’État)に提出します。

新たな法案では、電動キックスケーター、モノルー(monoroue/下記写真左)、ジャイロポッド(gyropode/写真中)、ホバーボード(hoverboard/写真右)などの、電動式パーソナル移動デバイス(engins de déplacement personnel motorisé)の利用制限を定めています。
※日本では電動式パーソナル移動デバイスの公道での利用は認められていません。

  

歩道での使用は禁止

具体的には、自治体が許可している場合を除き、これらの移動デバイスの歩道での使用が禁止され、違反者には135ユーロの罰金が科されます。歩道で使用する場合は手動で操作しなければなりません。また、時速25キロメートルを超える速度での使用は禁止、自転車専用道がある場合にはそちらを通行しなければなりません。

市街地以外で利用する場合は、安全上の理由から車道での利用は一切禁止され、自転車専用道、もしくはヴォワ・ヴェルト(voie verte、緑道)と呼ばれる歩行者・自転車等専用道の通行のみ認められます。

年齢制限

更に、8歳未満の子供は利用することが出来ず、親と一緒に利用することも出来なくなります。また、これらのデバイスを利用する際にはヘッドフォンやイヤフォンの使用は禁止され、12歳未満の子供はヘルメットの着用が義務付けられます。

手軽に利用でき便利な反面、問題点も多かった電動キックスケーター。新たな法案によってどのように街は変わっていくのでしょうか。

執筆:Daisuke

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