「ヌテラ」など値上げ ダンピングの取り締まり基準を厳格化

2019.01.31

チョコペースト

2月1日(金)より、フランスで食品法(Loi alimentation)が改正され、「ヌテラ」や「コカ・コーラ」などの食品の市場取引価格が10%引き上げられることが農業・食料省(Ministère de l’Agriculture et de l’Alimentation)より発表されました。

改正に伴い、消費者に渡る食品も値上がりします。値上げ率は販売店や地域によって異なりますが、平均して1.3%との概算が発表されています。

 

フランスにおけるダンピング取り締まり

フランスの食品法は、健全な市場取引を実現するためにダンピング(=不当廉売)の基準価格(seuil de revente à perte)を規定しています。

フランスでは現在、仕入れ値より10%以上高い定価をつけることが食品法で定められています。すなわち、1ユーロで仕入れた商品を、小売業者は1.10ユーロ以上の値段で売らなければなりません。

値上げの対象となる商品

法改正により、値上げの対象となるのはスーパーマーケットで売られている500~800点ほどの食品です。

特に大企業が製造販売する、「コカ・コーラ(Coca-Cola)」、クリームチーズの「カプリス・デ・デュー(Caprice des Dieux)」、ヘーゼルナッツ風味のチョコレートスプレッド「ヌテラ(Nutella)」などが値上げされます。
これらの商品は従来、消費者心理をつかむために特売価格(prix promotionnel)の対象になることが多かった商品です。

パリ周辺地域においては、750グラムの「ヌテラ」の値段がこれまでの平均4.05ユーロから約4.39ユーロに値上がりすると予測されています。

製造者にとって適切な取引を

法改正の目的は、食品をより適正な価格で取引することです。背景には、農産物や水産物の製造者がしばしば期待を下回る利益しか得られていないことをフランス政府が問題視していたという事実がありました。

しかし、値上げによって消費者からの値下げ要求が逆に高まり、農業全体の営業利益が下がることで製造元にも悪影響が及ぶのではないか、という見方もあります。

消費者への影響

大手スーパーマーケットの「ルクレール(Leclerc)」は昨年末に法案が審議された際、値上げには反対の意見を示しました。消費者の購買欲が下がることを懸念したためです。

「ルクレール」や、同じく大手スーパーマーケットの「インターマルシェ(Intermarché)」では、自社製品の値下げを行ったり、ダンピング法の対象になっていない生活用品の値下げを行うなどして今回の法改正に対応する予定です。

執筆あお

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