エールフランス、史上初の女性社長誕生

2018.12.13

フランス

12月12日(水)、エールフランス(AIR FRANCE)はアンヌ・リゲル(Anne Rigail)氏をエールフランスの代表取締役社長(directrice générale)に抜擢し、取締役会で承認され、同社始まって以来初の女性社長が誕生しました。

 

49歳、エールフランス史上初の女性社長

エールフランスKLMグループのCEO(最高経営責任者)に今年の8月に就任したばかりのベンジャミン・スミス(Benjamin Smith)氏が、エールフランスの顧客担当部門の専務取締役補佐(Directrice générale ajointe Clients d’Air France)のアンヌ・リゲル(49歳)氏を代表取締役社長に抜擢しました。

エールフランスの社長職は今年の5月、ジャン=マルク・ジャナイヤック(Jean-Marc Janaillac)前社長が辞職してからCEOのスミス氏が兼任していました。エールフランスの発表によると、アンヌ・リゲル新社長は12月17日に就任します。

現場を熟知した航空業界のプロ

アンヌ・リゲル氏はパリ国立高等鉱業学校(l’Ecole des Mines de Paris)注)を卒業し、1991年に当時フランスの国内航空会社だったエアー・インター(Air Inter:のちにエールフランスに吸収合併)に就職しました。

1996年にパリ・オルリー空港の顧客担当責任者に昇格し、2005年にはパリ・シャルル・ドゴール空港オペレーションの最高責任者、2009年にはドゴール空港の地上サービス部門の最高責任者、2013年には旅客機内サービス部門の最高責任者、そして2017年に現職である顧客担当部門の専務取締役補佐に至るなど、さまざまな部門の最高責任者を経験した、いわゆる「たたき上げ」の「現場の人」です。

 

強硬なパイロット組合など、課題は山積み

エールフランスは今年の春、パイロットの昇給率をめぐる交渉が決裂し、15日間に渡るパイロットのストライキで推定3億3500万ユーロ(約432億円/1ユーロ=129.12円で換算)の損失を出しています。交渉は失敗し、その結果5月にジャナイヤック前社長が突然辞職する事態となりました。9月には代表取締役のフランク・テルネール(Franck Terner)氏、10月には人事部長のジル・ガトー(Gilles Gateau)氏が相次いで辞職しています。

新社長就任により硬直している労使の交渉が再開することになります。会社側は10月にパイロットを含む機上および地上職員など社員全体の昇給を行っていますが、パイロット組合はパイロットへの追加昇給を主張して譲らない構えです。

執筆:マダム・カトウ

注)グランゼコール(Grandes Écoles)と呼ばれる、フランスの高等職業教育機関の一つ

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