フランス語を勉強していると同じ意味を持つ単語が複数あって、どちらを使えばいいか迷ってしまうことがありませんか?そのうちの一つが、日本語で「借りる」を意味する louer と emprunter です。
日常生活ではさまざまなものを借りるシーンがありますが、ここでは本を例にしましょう。休日の午後、図書館にいる場面を思い浮かべてみてください。おもしろそうな本がたくさん並んでいます。
さて「私は図書館で本を借りる」はフランス語でどう言いますか?
判断するポイントは「有料」か「無料」か!
日本語では、隣の人にペンを借りるときも、お金を払ってレンタカーを借りるときも、「借りる」という言葉を使いますよね。一方フランス語では、ものを有料で借りる場合は「louer」、無料で借りる場合は「emprunter」と使い分けをします。したがって「私は図書館で本を借りる」は「J’emprunte des livres à la bibliothèque.」となります。
例文を見てみましょう。
J’ai loué un appartement.
– 私はアパルトマンを借りた。(有料)
Elle loue une voiture dans une agence.
– 彼女はレンタカー屋で車を借りる。(有料)
Chloé a emprunté mon stylo.
– クロエは私のペンを借りた。(無料)
Je peux emprunter ton téléphone ?
– 君の電話を借りてもいい?(無料)
ただし「お金を借りる」はemprunterを使う
ここで注意しておきたいポイントがあります。
「お金を払って何かを借りるとき」には louer を使いますが、お金そのものを借りる場合は「お金を払ってお金を借りるわけではない」のでemprunter を使います。こちらも例文で確認してみましょう。
Il a emprunté 2,000 yens à un ami.
– 彼は友達に2千円借りた。
J’ai emprunté à la banque.
– 私は銀行からお金を借りた(=融資を受けた)。
「借りる/貸す」2つの意味を持つlouer
借りるものが有料か無料かによって「louer」と「emprunter」を使い分けることが分かりました。「借りる」が分かると、ものを「貸す」場合の表現も気になりますよね。
実は「貸す」も「借りる」と同じように、有料か無料かで使い分けをします。ものを有料で貸す場合は louer、無料で貸す場合は prêter です。
つまり「louer」は「借りる」と「貸す」の両方の意味を持っているのです。
見分けるコツは、文章の後ろに「à 人(人に)」があるかどうか。貸す場合は「louer une maison à Ichiro(一郎に家を貸す)」のように、ものを貸す相手を示す「à 人」が入っています。
例文を見てみましょう。
Léon loue une chambre de sa maison à un étudiant.
– レオンは自宅の一部屋を学生に貸す。(有料)
Je lui prête mon vélo.
– 私は彼(彼女)に自転車を貸す。(無料)
以上、ここまで見てきたことを表にしました。
有料 | 無料 | お金 | |
借りる | louer | emprunter | emprunter |
貸す | louer | prêter | prêter |
『借りるときも貸すときも、有料であれば「louer」を使う。ただし、お金そのものを借りたり貸したりするときは「emprunter」と「prêter」をそれぞれ使う』と覚えるとよいでしょう。
問題に挑戦!
では、次のカッコに入る単語は何でしょう?
1)Emma a( )700,000 euros pour acheter une maison.
エマは家を買うために70万ユーロを借りた。
2) Il a( )une chambre meublée pour six mois.
彼は家具付きの部屋を6カ月の予定で借りた。
3)Je peux( )ton parapluie ?
君の傘を借りてもいい?
正解は…1)emprunté 2)loué 3)emprunter です。
いかがでしたか?
なんだか覚えるのが大変そうですが、日本語との違いを考えながら楽しく学んでいきたいですね。
Natsuko