教科書には出てこない?けど…日常会話ではよく使う「今」のフランス語

2022.02.17

フランス語 学習言葉は生き物と言われるように、どんどん新しい言葉が生まれ、また意味も徐々に変わっていきます。フランス語も同じで、授業で習った表現と実際に日常会話で使う表現が必ずしも一致するとは限らないのがおもしろいところです。

そこで今回は、私が日本でフランス語を習っていた時にはあまり聞かなかったものの、フランスでの日常生活ではよく耳にする言葉や表現についてご紹介します。

 

「Oui」「Non」以外の返事の仕方

自分の意見をはっきり言うフランス人のこと、フランスで「Oui」「Non」を聞く回数は日本で「はい」「いいえ」を聞くよりも明らかに多いです。ただ、それ以外にも肯定・否定を表現できる便利な表現がいくつかあります。

肯定感を強く出したいときには「Bien sûr !(もちろん)」が分かりやすいですが、副詞一語で 「Absolument !(その通り)」、「Évidemment.(明らかにそうだね)」、「Effectivement.(たしかに)」と言っても oui より強い同意・肯定を表現できます。

逆に「Absolument pas !(全然違うよ)」というと、non 以上に強い否定になります。「Non」をはっきり言えるフランス人ですが、それでも会話相手の感情に配慮することは大切。相手をいたわりつつ反対したい時に使いやすいのが「Je ne suis pas sûr/e.(それはどうだろうね)」ですが、それと同じくらい良く出てくる表現が「Ça m’étonnerait.」です。 直訳すると「それは私を驚かせるだろう」で、それが転じて「それはちょっと意外かも」「それは違う気がするな」という軽い否定の返答として使われます。

また、何か意見を聞かれたものの分からない、もしくは特に意見がないという場合に便利な言葉が visiblement です。もとは「目に見えて」という意味の副詞ですが、会話の中で一語だけで使われると「見た感じそうっぽいね」といった意味合いで、特に意見がないことをやんわり伝えられます。

私自身は、「Oui」「Non」を使わずに意見を言えるようになった時にフランス語が一段上達したような気がしました。ぜひお試しください。

 

面白い/つまらない/強調表現

「楽しい」「面白い」と言いたいときに使う単語としてamusant や drôle などを習いましたが、私はフランスではあまり聞きません。代わりによく使われるのが marrant です。この言葉は守備範囲が広く、「C’est marrant.」と言うと、「笑ってしまうくらい面白い」から軽い「Sympa.(いいね)」のニュアンスまで表現できます。

逆にあまり面白くない・楽しくない時は ennuyant(退屈)ですが、フランスでの日常会話では chiant(最悪)とか nul(全然だめ)といった言葉をよく使います。ただ強い否定感が出てしまうので、ケンカにならないように言い方や表情に気をつける必要があるかもしれません。

強調する言葉

何かを強調して「とても」「本当に」と言いたいときは très や vraiment を使いますが、他に carrémenttellement も便利です。「C’est carrément bien.」と言うと「それ最高だね」とこなれた表現になります。

これも強調表現とも言えますが、日常会話では pas mal de~ という言葉をよく耳にします。直訳すると「悪くない数の」といった意味で、それが翻って「たくさんの」となり beaucoup de~ と同じニュアンスになります。たとえば「On a pas mal de clients aujourd’hui.」は「今日はたくさんお客さんが来るなぁ」といった意味合いです。

 

英語やあいさつ…最近流行の言葉

フランスで英語を話すと嫌がられるというのはもう昔の話。今の特に若いフランス人は英語に抵抗感はなく、パリなどの大都市では外国人と分かるとあえて英語で話したがる人もいるくらいです。英単語がフランス語会話に出てくることも増えたように思います。cool、top、too much などは毎日のように耳にします。「C’est top !(それ最高!)」とか「C’est un peu too much ça.(それはちょっとやり過ぎだよ)」といった感じです。

あいさつにも流行表現が

また、あいさつにも流行があるようです。別れる時に「Au revoir, bonne journee.(じゃあね、良い一日を)」と言うのはフランス語の授業でも習う通りで、実際に毎日のように使います。しかし最近は 「Bonne journée.」 の代わりに 「Belle journée.」 と言う人が増えてきました。

先日テレビ番組でこの表現について取り上げていて、それによると2008年頃からメールの最後などで使われはじめ、その後会話にも取り入れられるようになったとのこと。ニュアンスも使い方も全く同じようですが、今後はこの表現が主流になっていくのでしょうか。それとも一時の流行で終わるのでしょうか。

英単語を混ぜるのも belle journée も現状は若者語の域を出ない印象ではありますが、こうやって新しい表現が生まれていくのかもしれません。

 

変わっていく言葉

話し言葉は、同じ表現でもその時の状況や表情によってもニュアンスが大きく変わります。また刻々と変わっていくのが言葉というものの必然であり、面白さだと思います。このコラムで新しい表現を覚えたと思っても、皆さんが次回フランス語圏に行く頃にはまた違う言い方に変わっているかもしれませんね。

執筆:Takashi

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