「Summer of 85」「スザンヌ、16歳」カンヌ選定のみずみずしい仏映画2作品が公開

2021.08.23

Summer of 85とスザンヌ、16歳

世界三大映画祭の一つ、フランスのカンヌ国際映画祭。2020年はコロナ禍のため映画祭での上映は行われず「オフィシャルセレクション」の発表という形にとどまりましたが、この「オフィシャルセレクション」に選ばれた2作のフランス映画が、時を同じくして日本公開されます。

両作品の主人公はともに16歳。多感な年代の甘酸っぱくも切ないピュアなひと夏の恋を描いた作品です。今回はその2作品「Summer of 85」「スザンヌ、16歳」をご紹介します。

 

少年同士のはかない夏の恋「Summer of 85」

Summer of 85

「Summer of 85」(原題:Ete 85)は、フランス映画の巨匠とも鬼才とも言われるフランソワ・オゾン監督(「焼け石に水」「8人の女たち」「スイミングプール」など)の作品で、20年のカンヌ映画祭「オフィシャルセレクション」の「常連」カテゴリーに選ばれました。

この作品は運命的な出会いを果たした少年たちの初めての恋と永遠の別れの物語で、これまでにオゾン監督が描いていた過激な恋愛描写は本作では封印。少年たちの美しくも儚いひと夏の恋物語を鮮やかに映し出した、爽やかで瑞々しいラブストーリーに仕上がっています。

原作は、オゾン監督が17歳の時に出会い深く影響を受けたというエイダン・チェンバーズの小説「おれの墓で踊れ(徳間書店)」。主演の少年二人はいずれもオゾン監督がオーディションで見出した新鋭です。

この作品はカンヌの他にも、第15回ローマ国際映画祭で観客賞を受賞。また第46回セザール賞では作品賞や監督賞など11部門にノミネートされるなど、すでに高い評価を獲得しています。

STORY

映画Summer of 85
セーリングを楽しもうとヨットで一人沖に出た16歳のアレックス。突然の嵐に見舞われ転覆した彼を救助したのは、18歳のダヴィド。二人は急速に惹かれ合い、友情を超えやがて恋愛感情で結ばれる。アレックスにとってはこれが初めての恋だった。

互いに深く想い合う中、ダヴィドの提案で「どちらかが先に死んだら、残された方はその墓の上で踊る」という誓いを立てる二人。しかし、ダヴィドの不慮の事故によって恋焦がれた日々は突如終わりを迎える。悲しみと絶望に暮れ、生きる希望を失ったアレックスを突き動かしたのは、ダヴィドとあの夜に交わした誓いだった─。

作品情報

「Summer of 85」
監督・脚本:フランソワ・オゾン
出演:フェリックス・ルフェーヴル、バンジャマン・ヴォワザン、ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ、メルヴィル・プポー
公開:2021年8月20日(金)、新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマ、グランドシネマサンシャイン池袋ほか全国順次公開
配給:フラッグ、クロックワークス

公式サイト:summer85.jp 【PG-12】
公式Twitter:@summer85movie/公式Instagram:summer85movie

© 2020-MANDARIN PRODUCTION-FOZ-France 2 CINÉMA–PLAYTIME PRODUCTION-SCOPE PICTURES

 

20歳の女性監督が少女の内面をみずみずしく描く「スザンヌ、16歳」

映画「スザンヌ、16歳」

「スザンヌ、16歳」(原題:16 Printemps)は、パリ・モンマルトルを舞台に高校生が年の離れた大人の男性に恋をする、ひと夏の物語。主役のスザンヌを演じる20歳のスザンヌ・ランドンが脚本と監督もつとめ、20年のカンヌ映画祭「オフィシャルセレクション」の初監督作カテゴリーに選出されました。

彼女がこの映画の脚本を書いたのは15歳のとき。自身の内側に抱えていた思春期の憂うつな感情や恋愛への憧れをもとに、19歳で映画撮影に着手。主演として複雑で不安定な少女の内面を体現し、監督としてその繊細さを瑞々しくスクリーンに映し出しています。

スザンヌ・ランドンの両親は、カンヌ映画祭で男優賞の受賞歴をもつ俳優ヴァンサン・ランドンと、やはりカンヌで何度か審査員をつとめている女優のサンドリーヌ・キベルラン。また自身はファッションブランド、シャネルのミューズにも抜擢されるなど、フランス国内のカルチャー&アートシーンで注目される存在になっています。

STORY

スザンヌ、16歳

スザンヌは16歳。同年代の友人たちに退屈している。恋に憧れはあるけれど、学校の男の子たちが魅力的とは思えない。ある日彼女は、劇場の前で年の離れた舞台俳優のラファエルと出会う。彼もまた繰り返される舞台や仲間たちとの付き合いに退屈していた。

そんな二人はすぐに恋に落ちる。けれどスザンヌは、彼に夢中になればなるほど、不安にもなりはじめる。自分が思い描いていた“16歳の時”が、どこかに消えていってしまいそうで…

公開情報

「スザンヌ、16歳」
【キャスト】スザンヌ・ランドン、アルノー・ヴァロワ、フレデリック・ピエロ、フロランス・ヴィアラ、レベッカ・マルデール
【スタッフ】監督・脚本: スザンヌ・ランドン 編集:パスカル・シャヴァンス、音楽:ヴァンサン・ドレルム

2021年8月21日(土)より渋谷ユーロスペースほか全国順次公開
2020年/フランス/77分/原題:16 Printemps(Seize Printemps)

公式サイト:suzanne16.com
公式Twitter:@suzanne16_film/公式Instagram:suzanne16_film

 

東京・渋谷では200円割引のタイアップ・キャンペーン実施中

東京・渋谷の映画館、Bunkamura ル・シネマ(『Summer of 85』)とユーロスペース(『スザンヌ、16歳』)、それぞれの劇場窓口にて、該当作品のチケット購入時に相互の半券を提示すると、一般料金1,800円を200円引きの1,600円でお求めになれます。

この夏、フランスのピュアな青春映画を2本あわせてお楽しみください。

執筆:FRANCE365編集部

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