フランスでは毎年9月の第3週になると、2日間『ヨーロッパ文化遺産の日』が開催されます。フランスではLes journées européennes du patrimoineといいます。2021年の開催は9月18日(土)と19日(日)で、第38回目となります。
この2日間は、通常一般公開されていない歴史的な施設や美術館などを見学できるほか、ふだん入場料が徴取されている施設も無料、ないし割引価格で見学することができる特別な日です。
ヨーロッパ文化遺産の日とは?
このイベントはフランスで生まれました。1984年、当時の文化大臣(文化通信省)であったジャック・ラング氏の提唱により、「歴史的建造物の公開日」という名称で第1回目が開催されたのが始まりです。
このイベントの目的は、たくさんの施設を開放することにより人々に歴史的建造物の並外れた豊かさを知ってもらうことです。
ヨーロッパ50カ国で開催
1984年にフランスで始まったのち、その翌年には欧州評議会の推進によりこの日がヨーロッパのイベントとなりました。1999年には欧州連合が参加し、2000年に「欧州遺産の日」と改称されました。現在ではヨーロッパ文化条約に加盟している50の国で開催されるイベントとなっています。
今年のテーマ
このイベントは毎年テーマが決められており、2021年のテーマは
« Patrimoine pour tous, ensemble, faisons vivre le patrimoine »
”すべての人に遺産を、みんなで遺産に命を吹き込もう” です。
昨年の2020年はコロナ禍の真っただ中ということもあり、フランスはもとよりヨーロッパ全体で例年のように多くの人々を歓迎することが難しい状況下にありました。
それから1年を経た2021年は、遺産施設の再開を祝い、すべての人に遺産を提供する機会が設けられます。
どんな施設が一般公開されるの?
フランス国内では、13,000を超える歴史的建造物を見学することができます。例えば以下の施設は、通常一般公開されていませんがこの2日間は開放されます。
・エリゼ宮(大統領官邸)
・パリ市庁舎
・リュクサンブール宮殿(元老院)
・パレ・ロワイヤル(文化通信省)
・国会議事堂
・フランス銀行
そのほかにも、歴史的建造物とは少し異なりますが、シャルルドゴール国際空港やSNCF(フランス国鉄)整備センターのガイド付きツアーなど、たくさんのイベントが組まれています。
リヨン市庁舎をご紹介
著者は昨年2020年、歴史的建造物のリヨン市庁舎を訪れました。とっても煌びやかな内部を少しご紹介します。
市庁舎の入り口を入り、階段を上っていきます
こちらは祭典の大広間。シャンデリアがとってもきれいでした
(こちらはおまけ)市長の執務室を見ることもできました
おわりに
いかがでしたでしょうか。通常一般公開されていない施設を見学できるのは貴重ですよね。フランスへ行かれる際にヨーロッパ文化遺産の日と重なったら、ぜひ気になる施設に足を運んでみてはいかがですか。
ヨーロッパ文化遺産のHP(フランス語)はこちら
筆者 ゆり