仏検準1級対策 その3:書き取り・聞き取りの内容と対策ポイント

2021.11.17

フランス語 学習
今年も実用フランス語技能検定試験(仏検)の秋季試験が近づいてきました。1年に2回ある仏検のなかで、1年に1度、秋季にしか受けることのできないのが準1級です。このシリーズ記事では、準1級試験の内容や対策をご紹介しています。

第3回目の今回は、仏検準1級の書き取り・聞き取り試験の対策方法について、筆者の体験を交えてご紹介します。

なお問題例などで引用した過去問は、公式HPに公開されている2011年のものです(APEF「過去問題サンプル」)。また、試験対策についてはあくまで筆者の考えと経験にもとづくもので、合格を必ずしも保証するものではありません。

(2級とのレベル比較などについては、こちらの記事「その1:難易度を仏検2級と徹底比較!」を、準1級の筆記の内容と対策についてはこちらの記事「その2:筆記の内容と対策ポイント」を、準1級以外の試験についてはこちらのリストから関心のある級をぜひご覧ください)

 

仏検準1級の書き取り試験の内容

仏検ではおなじみの書き取り(ディクテ)試験。準1級では問題文を3回聞くことができます。1回目は普通の速さ、2回目はポーズ入り、3回目はまた普通の速さで読まれます。

書き取り試験のポイント

2級の受験経験のある方は、準1級も同じやり方で勉強して良いでしょう。過去問を解くと、単語のレベルなどが体感できるはずです(ちなみに筆者は、書き取りに関しては2級と準1級の違いをあまり感じず…。たしかに2級よりも分量が多く複雑な単語が増えますが、とくに新しい勉強方法は試しませんでした)。

準1級に限ったコツではないのですが、筆者が実践しているのは以下のような聞き取り方です。

1回目:ふつうの速さ 数字固有名詞、できれば動詞(時制、性数一致を含む)をメモ。文章の長さを把握(できればコンマやピリオドの位置を把握)。これらの要素が分かると、どんなテーマなのか(ニュースか物語か)、登場人物像(あるいは動物か、一般論か)などが分かりやすくなります。さらに動詞が分かれば目的語の予測をたてることができます。

2回目:ポーズ入り 主語動詞コンマやピリオドを完全に書き取る。コンマとピリオドは3回目には読まれないので、ここでしっかり確認。副詞や関係詞、細かい性数一致は後から見直せるので、完全に書き取れなくても気にしない。

3回目:ふつうの速さ 2回目に聞きのがした部分、細かい副詞や冠詞などの確認。関係詞や細かい性数一致は3回目の後でも見直せるので、やはりここでもあまり気にしない。

放送後の3分間 関係詞や、冠詞性数一致動詞の活用形の確認。聞き取れなかった(あるいは忘れてしまった)としても、文法的に正しい表記になっているか確認する。

書き取り試験の対策

書き取りについても、過去問を重点的に勉強すると良いです。もし2級の受験経験がない場合は2級の過去問から始め、フランス語のディクテ自体に慣れておくのも良いでしょう。駿河台出版社の公式問題集『仏検公式ガイドブック』がもっとも使いやすいと思います。

余裕のある場合には『仏検 準1級・2級必須単語集』(白水社)の2級の章で、単語を勉強しつつディクテの練習を積むことができます。さまざまなテーマや語り口にふれることができ、単語の復習にもなります。

 

仏検準1級の聞き取り試験の内容

第1回目の「仏検2級と徹底比較!」記事では、第1問(インタビューの穴埋め)は2級と形式面であまり差がない一方、第2問がレベルアップしていることを指摘しました。

例えば2011年度では、第2問は「ある年金生活者 (retraité) に関するニュース」を聞き、これに関する文章の正誤を判断するというものでした。

聞き取り第2問の対策

正誤を判断する問題ですので、問題文は Comment〜? やPourquoi〜? の形式ではなく多くの場合が平叙文です。この形式に十分に慣れておく必要があります。

また日時や時制、場所や主語を入れ替えて引っかける問題も多いです。音声を正確に聞き取ることはもちろん、聞き取る際にメモをとる練習も積んでおくと良いでしょう。

筆者は、できるだけ本番に近い形式で練習を積むために過去問を重点的に勉強しました。駿河台出版社の公式問題集『仏検公式ガイドブック』は、解説が丁寧なのでおすすめです(2020年度から『ガイドブック』は1級と合体。また、問題ごとにまとめた『仏検公式ガイドブックセレクション』も発売されました)。

 

1次試験全体の戦略

前回に引き続き、1次の筆記試験の内容と対策をご紹介しました。書き取りは完璧に回答できなくともある程度の部分点がもらえること、聞き取りの第2問は選択肢なので回答しやすい(だからといって簡単ではありませんが!)ことなどから、書き取り・聞き取りはぜひ得点源にしたいところです。

1次試験を無事に乗り切り、ぜひ2次の口頭試験に進みましょう!

執筆あお

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