フランス政府が認定する唯一の公式フランス語資格、DELF/DALF。フランス語の能力や知識を証明することができ、フランス語圏への進学や就職に欠かせない語学資格です。
この資格の試験形式が2020年春より一部変わっています。今回はこの変更点をご紹介します。受験予定の方やこれから対策を始める方は、この記事をぜひご活用ください。
変更のくわしい内容
DELF/DALFはヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)に準拠し、A1・A2(入門、初級)、B1・B2(中級、準上級)、C1・C2(上級、熟練)という6つのレベルに分かれています。
2020年3月の変更後は、DELF A2、B1、B2、DALF C1、C2の5つのレベルで行われます。一部のレベルでは2020年以降に徐々に変更されていくため、今後2年ほどは新旧の試験スタイルが混在する可能性があります。
DELF A2、B1、B2
リスニング試験(compréhension orale) と読解試験(compréhension écrite)において、以下の点が変更されます。
・解答はすべて選択式に
これまで一部の設問は記述式での解答でしたが、今後は選択式の設問のみに変わっていく予定です。
・(A2、B2)設問数の変更
リスニング試験で読み上げられるテキストの数は、DELF A2では7→14に、DELF B2では2→5に増えます。そのかわり一つのテキストに対する設問の数は減ります。
・(B1のみ)試験時間の変更
DELF B1の読解試験では、試験時間が35分から45分に延長されます。
DALF C1、 C2
・筆記試験の専門分野のテーマ選択を廃止
人文科学と科学いずれかの専門分野を選択できるこれまでの方式は廃止され、よく知られている社会的なテーマに統一されます。
変更の背景と、受験生への影響
今回の変更理由は、試験をより公平に、そしてCEFR基準により適合させるためです。
果たして、この変更は受験者にとってどのような影響があるのでしょうか? アンサンブルアンフランセ講師の Yohann 先生は、「より公平に、受験者のストレスを少なくするための変更」と説明しています。
記述式から選択式への変更は、受験者が正確な答えを知らない場合に、正解へのチャンスをより多く得ることにつながります。また採点者にとっても、公平性を担保する上で大切な変更です。
執筆 あお
※この記事は、2019年5月28日にアンサンブルアンフランセの講師 Yohann 先生が書いたフランス語記事をもとにしています。