DALF C1試験対策 その4:口頭試験を突破するためのポイント!

2018.11.23

DELF/DALF

フランスの大学院進学への必須基準となる「DALF C1」(Diplôme approfondi de langue française)は、フランス政府認定の公式資格です。

C1の試験は筆記試験口頭試験からなります。この記事では、特殊な形式で行われる口頭試験を突破するための注意点をまとめます。

(DALF C1の口頭試験については、こちらの過去記事「DALF C1試験とは?その1」もご覧ください。)

 

実際に受験して感じた合格ポイント3つ

合格

筆者がDALF C1の口頭試験を実際に受けて感じた、合格のためのポイントを3つ紹介します。

ポイント1:プレゼンテーションは構成が命!

口頭試験の発表(プレゼンテーション)では、その内容ももちろんですが「構成を立てられるか」も評価基準になっています。問題文にも、「導入(introduction)」と「結論(conclusion)」を含むよう注意書きがあります。

日本では「起承転結」の流れで話すことが多いのですが、C1の試験では以下のような順序で発表すると良いようです。

導入(introduction):問題提起と構成の説明

本題:テキストの要約、論点、自分の意見や経験

結論(conclusion):導入で挙げた問題に対する答え

筆者は当初、このような構成に慣れていませんでした。自分では「結論」のつもりで話したはずが、フランス人の先生にプレゼンテーションを評価してもらったところ、「結論は何だったの?」と指摘を受けたこともしばしばありました。

そこで、構成を意識するため各パートに「枕詞」をつくっておいて、自動的に型にはめながら話すという練習を行いました。例えば「結論」の初めには必ず”En conclusion”と前置きの一文を入れ、誰が見ても「結論」だと分かるようにしたのです(内容はともかくとして…)。

ポイント2:テキストの内容と、自分の意見をはっきり区別する

C1の試験では、テキストの理解力と、自分のオリジナルな体験や考えを話す能力の両方が試されます。これらをバランスよくアピールするためには、両者をしっかり区別しながらプレゼンテーションを行うことが大切です。

まず、試験で与えられるテキストは深い読解のためというより、あるテーマについて議論を展開するための土台としてあります。このことは問題文にも書かれています。そもそも60分という準備時間のうち、読解に割くことのできる時間は限られています。

だからといって、テキストを軽く読み飛ばして自分の意見ばかり述べてしまっては、試験官との単なるおしゃべりになってしまいます。

よって、テキストの内容は簡潔にまとめて最低限の読解力を示し、自分の論を付け加えるという形をとれば、効率よくプレゼンテーションを組み立てることができます。筆者はこれも「テキスト中では○○のようなデータがあるが、自分は△△だと思う」といったように、意識的に形式ばった表現を使って練習しました。

ポイント3:具体例を思い浮かべながら話す

C1レベルの受験者は、ある程度の語彙力や、フランス語での議論の経験があるでしょう。どのような話題を振られても、何らかの返しが出来る人が多いのではないでしょうか。伝えたい内容が明確でなくてもなんとなく会話ができてしまうのは、フランス語上級者の強みでもあり弱みでもあります。

C1の試験では、曖昧な、あるいは抽象的な発言をすれば必ず「それは具体的にどういうことですか?」「何か体験談はありますか?」と聞き返されてしまいます。面接時間が30分もあり、その約半分が質疑応答という中では、試験官と「やり取り」をする必要があるのです。

筆者は、聞き返されても答えられるように、また、聞き返しを想定しながら議論できるように、常に具体例を思い浮かべながら試験官とやり取りするように心がけていました。具体的なことが頭に思い浮かんでいれば、簡単な語彙をつかって状況を説明し、自然に結論を導くことができるためです。

 

まとめ

C1の口頭試験は、なんだか難しそうに見えてしまうかもしれません。しかし「構成を意識して話す」「テキストの内容と自分の意見を分ける」「具体例を持ち出す」、この3点を意識することで、筆者は乗り切ることができました!

みなさんの合格のために、少しでもお役に立てたら幸いです。

執筆あお

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