フランスの大学院進学に必須基準となる「DALF C1」(Diplôme approfondi de langue française)は、フランス政府認定の公式資格です。
(DELF/DALFの詳しい内容については、こちらの過去記事「フランス語検定試験DELF/DALFとは?(1)」「フランス語検定試験DELF/DALFとは?(2)」 をご覧ください。)
「DALF C1」とは?
年に2回行われるフランス政府公認の「DALF」は、上級者向けのフランス語能力試験です。日本を始め海外各地で、フランス国内と同じように実施されており、毎年多くのフランス語学習者が受験します。
この資格は英語でいう英検のようなシステム。“TOEIC”(フランス語だと、“TCF”)のようにスコアによってレベルを判断するテストとは異なり、レベル別の試験を受けて、一定基準を満たすと合格、という仕組みです。
ヨーロッパ基準で実施されるフランス語の試験にはおおまかにA~Cのレベルがあり、A(初級)とB(中級)、その上のCが上級レベルと設定されています。Bレベルまでの試験が「DELF」、Cレベルが「DALF」と呼ばれますが、試験のスタイルは同じです。
「DALF C1」取得の目的
C1レベルは、フランス語圏の大学院で入学資格となっている(※分野や学校によっては必要でない場合もある)ほか、人文系の学部に交換留学(学士)する場合などにも稀に求められる基準です。
「フランス政府給付留学生」に応募するときにも、C1資格を証明すると加点が得られます。(詳しくはこちら在日フランス大使館「フランス政府給費留学生制度」)
また、日本国内でフランス語関連の企業に就職するときなどにも、自分の語学力を示す上で役に立つ資格です。
一度取得すると無期限有効のため、就職活動や大学院留学の前に取るべき資格といえます。
「DALF C1」の出題内容 4技能まんべんなくテストされる!
DALF C1は、DELF B2までと同じように「筆記試験」と「面接試験」に分かれています。
「筆記試験」は、以下の4セクションです。
リスニング(Compréhension de l’oral):約40分
読解(Compréhension des écrits):50分
作文(Production écrite)150分
「面接試験」は、
プレゼンテーション(Production orale)30分(準備時間60分)です。
配点は全て25点ずつ、100点満点中の50点以上で合格です。ただし、各セクションで最低5点は取らねばなりません。
「聞く」「読む」「書く」「話す」の4技能をまんべんなく高いレベルでもっている人のみが合格できる試験だといえます。中でも、時間配分の長い「作文」と「プレゼンテーション」は対策が必須の難関試験です。
まとめ 4技能バランスよく勉強すべし
進学や、就職に役立つDALF C1は、まさに、「フランス語上級者への登竜門」といえるでしょう。
そして、合格するためには4技能のどれも手が抜けないことがおわかりいただけたでしょうか?次回はDALFの難易度を、仏検やDELFと比較しながらご紹介します!
執筆あお