フランス 65歳以上にワクチン3回目推進とコロナパスポートの更新要請

2021.11.11

ワクチン接種

11月9日(火)、マクロン大統領は、12月15日以降、65歳以上の高齢者は最後のワクチン接種から約6ヶ月以上経っている場合には、コロナパスポートが失効することを宣言しました。また、12月の頭からのワクチンの接種枠の予約を開始しています。

11月10日(水)には、フランスのオリヴィエ・ヴェラン保健相(Olivier Véran)がTF1でコロナウイルスの感染拡大「第5波」を宣言しました。ヴェラン氏は「ほとんどの人がワクチン接種を済ませているため、(第5波を)乗り越えることができる」と述べる一方で、コロナパスポートの提示義務などは当面解除しない方針です。

 

65歳以上、ワクチン接種から約半年後にコロナパスポートの更新が必要

9日にマクロン大統領は、フランス全土でのコロナウイルスの感染再拡大を受け、高齢者に対してワクチン接種を再び求める方針を示しました。65歳以上のコロナパスポート所有者は、12月15日の時点で最後のワクチン接種から6ヶ月5週間経っている場合、コロナパスポートを更新する必要があります。

これは、ワクチンの免疫効果が約半年で有効でなくなるとの研究結果を受けた判断といいます。

新たに15万回分のワクチン予約開始

50歳から64歳に対しては、12月頭より、コロナパスポート更新のためのワクチン再接種を開始する予定です。

9日のマクロン大統領の発言を受け、ワクチン接種予約サイト「ドクトリブ(Doctolib)」には予約が殺到し、10日朝の時点で、すでに14万9000回分が予約されました。

一方、3回目のワクチン接種については、フランス国内で反応が分かれています。65歳以上や基礎疾患をもつ人に対して3回目の摂取が可能になってからすでに2ヶ月経つものの、対象者770万人のうち、すでに3回目を摂取した人は310万人にとどまっています。

基礎疾患をもつ人は現時点で対象外

フランス政府報道官のガブリエル・アタル(Gabriel Attal)氏によると、基礎疾患をもつ人に対しては、「法律的また技術的な理由から」現時点ではコロナパスポートの更新を求めていません。

コロナパスポートは年齢に関する情報を含む一方で、肥満や心血管疾患などの情報は記録されていないため、これらの疾患をもっていたとしても、パスポートの管理には問題が起こらないのです。

ただし、コロナウイルスに感染した場合に重症となりやすい人々に対し、ワクチンの追加接種などの措置を講じることは「重要」だという見解も示しています。

 

コロナパスポートのチェック引き締め

ジュラール・ダルマナン内務大臣(Gérald Darmanin)氏は、コロナパスポートの確認がここ数週間、甘くなっている状況に警鐘を鳴らしています。

9月には1週間につき5万人と8,000機関がパスポートの確認を行っていましたが、先週には2万5000人と4,000機関のみがパスポートチェックを行い、チェック機能が大幅に弱まっています。

ダルマナン大臣は10日朝、「9月のときのように」コロナパスポートのチェックを強化すべきだと、フランス全土の知事や地元警察、憲兵に要請しました。これはフランス全土で陽性率が上昇する現状を見た、マクロン大統領からの要請でもあります。

執筆あお

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