2月5日(金)、フランスにおける過去1週間のコロナ新規感染者数は平均して1日20,000人、死者450人前後と高止まりする中、カステックス(Jean Castex)首相は昨日4日の記者会見で、ロックダウンは今のところ行わないと発表しました。
新規感染者数の《爆発的な増加は見られない》が、変異種1カ月で4倍
発表によると、フランスの現在の新規感染者数は高止まりし、集中治療室の病床の6割が新型コロナ患者で埋まっている深刻な状況は変わっていませんが、昨年10月の様に1日平均5万人を超える「爆発的な感染の波」は発生していないことから、ロックダウンという最終手段を行使するには至っていません。
しかしながら首相は、感染力の強いイギリス型、南アフリカ型およびブラジル型変異種の感染者全体における割合が、1月8日時点の3.3%から1カ月余りで現在の14%に増えるなど予断を許さない状況であるとし、感染が急拡大に転じた場合「躊躇せずロックダウンに踏み切る」と強調しました。
ワクチン接種、2月末まで50万人分追加済み
フランスでは現在まで約170万人以上がワクチン接種を受けています。昨日の発表では、75歳以上、重要疾病を持つ人、医療関係者向けへの接種を最優先に、新たに接種の予約枠が50万人分追加され、すでに予約開始となっています。3月末までにさらに170万人分の接種が追加される予定です。
政府は2月末までに全体として400万人への接種を目標としています。
アストラゼネカのワクチン承認、明日6日より接種開始
カステックス首相は、接種目標達成に必要なワクチン確保に欠かせないとされるアストラゼネカ(AstraZeneca)社のワクチンがフランスでも承認されたと発表しました。
65歳以上への効果が疑問視されている同社のワクチンは、まずは医療関係者に接種が行われ、続いて50歳以上65歳未満の重要疾病のある人を対象とし、最終的には50歳以上65歳未満の全ての国民が摂取対象となります。
学校でのPCR検査、唾液採取方式で子供も容易に
今回の記者会見でヴェラン保健大臣は、義務教育および大学という教育の現場に初めて唾液による検査を導入すると発表しました。
現在までフランスでは綿棒を鼻か喉に入れて検体を採取する方式のみを採用していました。しかしながら、このやり方では医療関係者が一人ずつ採取する必要があるうえ、不快感から特に年少の子供には不向きとされていました。
唾液を採取する方式では、本人が容器に唾液を入れるので不快感がなく、検体の採取も簡単になるため学校での検査がスピードアップされます。
ちなみに、現在フランスには12,000カ所のPCR検査場があり、1秒あたりに4回のテストが行われています。また、テスト結果の92%が24時間以内に出ています。
執筆:マダム・カトウ