10月9日(火)、頭から入水する高飛び込みとして、高さの世界記録を持っているフランス人男性、リオネル・フラン(Lionel Franc)氏(48歳)が、9月30日(日)に自身の持つこれまでの世界記録30メートルを更新して、36メートルという驚異的な高さの新記録を打ち立てたと、フランスメディアが報じました。(写真はイメージ)
頭から入水する高飛び込みで新記録
9月30日、フランス南部のブッシュ=デュ=ローヌ県(Bouches-du-Rhône)のマルセイユ(Marseille)にほど近いカランク・ダン=ヴォ(la Calanque d’En-Vau)で、安全具などを着用せずに頭から入水する高飛び込みとして、高さの世界記録を持っているリオネル・フラン氏が、高さ世界新記録36メートルを樹立しました。36メートルは、一般的な建物の13階の高さに相当します。
高飛び込みのメッカ カランク
カランク(la calanque)とは、地中海沿岸の切り立った断崖で囲まれた入り江のことを言い、カランク・ダン=ヴォは高飛びをする人が多いことで知られています。断崖から飛び込むスポーツは「クリフ・ダイビング(Cliff Diving)」と呼ばれています。
2012年には世界記録30メートルを樹立
フラン氏は、2012年42歳の時に、高さ30メートルからの高飛び込みを成功させ世界記録を更新しました。今回のフラン氏の挑戦まで、その記録は誰にも破られませんでした。
2012年に30メートルの世界記録を樹立した際に撮影されたこの動画からも、30メートルが相当な高さであることがうかがえます。
危険が付きまとうクリフ・ダイビング
年々過激さを増す競技
競技として行われているクリフ・ダイビングのワールドシリーズ「Red Bull Cliff Diving World Series」では、その高さは約28メートル、ビル8階の高さから飛び込みます。
2013年にバルセロナで行われた世界水泳選手権(通称:世界水泳/FINA World Aquatics Championships)で新種目として採用された「ハイダイビング(High Dive)」も、男子は27メートル、女子は20メートルから飛び込みます。
入水時の速度はおよそ時速100キロメートルに達し、どちらの競技も、その危険性から着水は必ず足から、と定められています。
安全具を着用しての世界記録は58.8メートル
ヘルメットやダイビングスーツなどの安全具を着用し、足から入水するクリフ・ダイビングの世界記録は、ブラジル系スイス人のラザロ・シャラ―(Laso Schaller)氏の持つ、58.8メートルです。
36メートルから飛び込むと衝撃は1.6トンに
高さ36メートルから飛び降りた場合、入水時の速度は時速140キロメートルに達し、体重70キロのフラン氏が着水時に受ける衝撃は、およそ1.6トンに膨れ上がります。
フラン氏は「飛び込む前は非常に怖かったが、今はとても満足しています」と答えています。
既に次の目標、鷹さ40メートルの準備も
高さ36メートルからの高飛び込みを成功させたばかりのフラン氏ですが、既に次の目標、高さ40メートルからの飛び込みの準備をしているということです。1、2年後には挑戦したいと述べています。
40メートルに挑戦する頃には50歳になるフラン氏。年齢を重ねてますます輝きを増すフラン氏に今後も注目したいですね。
執筆:Daisuke