5月19日(水)、フランスではロックダウンの段階的解除の第一段階として、飲食店のテラス席や文化施設、商業施設が再開しました。
ラ・ファイエットは夏物の新作で出迎え
パリ市内の商業施設がロックダウンの対象となったのは冬のセール期間真っ最中の2021年1月31日でした。3ヶ月半にわたり、「ギャルリー・ラ・ファイエット(Galeries Lafayette)」や「プランタン(Printemps)」をはじめとする大型商業施設や、路面店は休業を余儀なくされていました。
今回、のれんを再び上げるにあたり、これらの商業施設がそろえたのは新作の夏物コレクションです。従業員は約1週間前から、施設内の清掃や在庫の整理など、再オープンに向けて店内を整えていました。
新しい時代に適した販売へ
2020年春の1回目のロックダウン中も大型商業施設は休業していましたが、今回は、より戦略的な動きが見られます。
ラ・ファイエットでは、休業を活かして店舗内の改装が進められました。また、プランタンは、電話やビデオ通話での販売を強化し、顧客との関係を維持するように努め、営業利益を維持しようとしました。
これらの商業施設は今後、ペット用品やヨガマットなど、自宅で過ごす時間が長くなった新しい生活様式に合わせて、商品の品揃えを柔軟に変えていく計画です。
悪天候で拍子抜け…テレワーク定着の影響も
飲食店のテラス席開放や、商業施設の再オープンなどで盛り上がることが予想されたパリ市内ですが、19日は生憎の雨模様で、活気が以前のように戻ったとは言えません。
また、ロックダウン中にテレワークが定着したことも関係しています。1回目のロックダウン解禁時にはすぐに人手が戻ったのに比べて、今回は日中に1人も客が入らない路面店もあったようです。
さらに、外国人観光客によって支えられていた営業利益は、即座に補うことができません。勤務スタイルの変化や、観光客の呼び込みなどについて、どのように戦略を練るかが目下の課題です。
ヴェラン保健相の楽観視
オリヴィエ・ヴェラン(Olivier Véran)保健相は19日、ワクチン接種が変異ウイルスの感染拡大をも抑えることができれば、11月、あるいは12月にはコロナ禍が新たな局面を迎える、とコメントしました。
ただし、「コロナ禍が完全に去ったわけではない」とも言い、ロックダウンの段階的解除に期待しつつも、感染状況には引き続き念入りに対応していくとのことです。
執筆 あお