5月26日(水)、メディアや関係者に対し、テレワーク(在宅勤務)を義務とする方針の緩和が伝えられました。新しい方針の適用は6月9日以降を予定しています。
テレワークを減らし、対面会議や会食もOKに
フランスでは昨年10月より、業務上可能な従業員に対してテレワークが義務付けられています。2021年1月以降は、週1日を上限として、オフィスへの出勤も可能になりましたが、原則テレワークの方針は現在まで続いています。
ロックダウンの段階的解除が発表された4月29日、マクロン大統領はテレワーク義務を6月9日から緩和する方針を出していました。その宣言どおり、フランス政府はオフィス勤務を復活させるための準備を進めているようです。
公務員は週3でテレワーク
アメリー・ド・モンシャラン(Amélie de Montchalin)公共変革・公務員大臣は、6月9日より公務員は週2日のオフィス出勤と週3日のテレワークという体制で勤務する方針を発表しました。
そして7月1日からは、状況が許せば週3日のオフィス出勤と週2日のテレワークという体制に移行します。
9月以降は、労働組合と議論のうえテレワークに関する枠組み協定を作成し、それに沿った方針を打ち出す予定です。
大人数での対面会議を解禁へ
オフィス勤務の頻度が増えるにあたり、政府は電話会議またテレビ会議を推奨しています。しかし今後は、会議の形式もより自由になる見通しです。
6名以上の対面会議は今年の2月9日以降、原則的に禁止とされていましたが、6月9日以降は条件つきで許可されます。その条件として、人との距離を空ける、パーテーションを設ける、マスク着用などが推奨されています。
民間企業も
6月9日以降の条件緩和は、公務員だけでなく民間企業の従業員にも適用される予定です。
勤務時間の100%をテレワークに充てていたところを、一部オフィス勤務に移行するというのは生活面で大きな変化をもたらすということで、関係者は従業員の心理的・社会的なケアを呼びかけています。
会食も解禁へ
昨年10月から禁止とされてきた会食も、感染対策のうえで解禁されます。
コロナ禍によって業績が落ち込む飲食業界にとっては、法人向けのサービスを復活させる吉報です。
ヨーロッパでは青年向けワクチン接種に第一歩
ヨーロッパ医薬品庁(Agence européenne du médicament, EMA)は26日、ファイザー製ワクチンの接種対象年齢を12歳から15歳にも広げることを発表しました。
これまでフランスを含むEU27カ国は、ワクチン摂取の対象年齢を16歳以上に制限してきました。しかしアメリカではすでに16歳以下への接種が認められていたこともあり、ヨーロッパでも許可に向けて急速に研究が進んでいます。
ワクチン接種率は遅れをとるフランス
ル・フィガロ(Le Figaro)紙が取り上げたデータによれば、フランスのワクチン接種率はイギリス、ドイツ、ベルギー、スペインや、カナダやアメリカに比べ低水準です。
接種率を上げるとともに、接種対象を広げることが求められています。
執筆 あお