現在、日本とフランスの友好160周年を記念してパリを中心に催されている、ジャポニスム2018(Japonismes 2018)の一環のイベントとして、今週木曜日(13日)と金曜日(14日)に、エッフェル塔(La Tour Eiffel)が「日本色」にライトアップされます。
ジャポニスム
ジャポニスム(仏:Japonismeジャポニスム/英:Japonismジャポニズム)は、19世紀半ばに当時の万国博覧会に日本が出品していたことをきっかけに、日本の浮世絵や工芸品といった美術作品などが注目を集め、ヨーロッパで流行した日本趣味のことを言います。
1870年代には、フランスの辞書にはすでにJaponismeという言葉が登場し、特にフランス美術界や音楽界に日本文化が浸透していたことがうかがえます。
エドゥアール・マネ(Édouard Mane)やフィンセント・ファン・ゴッホ(Vincent van Gogh)、クロード・モネ(Claude Monet)といった画家たちに大きな影響を与え、彼らの絵画の中に浮世絵が描かれていたり、モネの「着物を着た少女(La Japonaise)」や、歌川広重の描いた浮世絵「名所江戸百景 大はしあたけの夕立」をゴッホが模写したものなどが知られています。
クロード・モネの描いた「着物を着た少女(La Japonaise)」Wikipediaより引用
左が歌川広重の描いた「名所江戸百景」、右がゴッホが模写したもの Wikipediaより引用
ジャポニスム2018:響きあう魂
ジャポニスム2018:響きあう魂(Japonisme2018:les âmes en résonance)は、今年が日仏友好160周年に当たることから、2016年5月に、当時のフランスのフランソワ・オランド(François Hollande)大統領と日本の安倍総理大臣が、日本文化のすばらしさを世界へ発信することを目的として、実施に合意しました。
日仏両政府が共同で取り組んでいる、一大プロジェクトで、開催期間中、パリのいたるところで日本文化を紹介する展示会、コンサート、演劇、映画、和食を紹介するプロジェクト、歌舞伎などが催されています。
詳しくは→ジャポニスム2018:響きあう魂公式ホームページ←をご覧ください。
ハイライトはエッフェル塔のライトアップ
今回のプロジェクトの中で、最も注目を集めているのが、今週の木曜日(13日)と金曜日(14日)の二日間にわたって行われる、エッフェル塔のライトアップです。
この企画を手掛けるのは、日本の照明デザイン・ライトアップの第一人者である石井幹子さんで、娘でパリと東京を拠点に照明デザイナーとして活動している石井リーサ明理さんもプロジェクトに加わります。
パフォーマンスは1部と2部に分かれていて、合わせて10分間の照明パフォーマンスが午後8時30分から翌日の午前1時までの間、エッフェル塔に投影されます。
第一部 ライトパフォーマンス
第一部のライトパフォーマンス(Light Performance)は、フランスの標語「自由・平等・友愛(Liberté – Égalité – Fraternité)に掛けた「自由・美・多様性(Liberté – Beauté – Diversité)」がテーマで、日本国旗の日の丸をイメージした白地に真っ赤な太陽が昇ってくる様子や、日本の古来の「雪・月・花」をイメージした照明などが、7分間にわたって表現されます。
第二部 イマージュ・サンボリック
第二部はイマージュ・サンボリック(Image Symbolique)と名付けられ、かつて「黄金の国」と呼ばれた日本を象徴するように、エッフェル塔が黄金色にライトアップされ、17世紀の江戸時代の画家、尾形光琳(おがた・こうりん 1658 – 1716)の作品、「燕子花(かきつばた)図屏風」をイメージした映像などが3分間映し出されます。
フランスに滞在中、渡仏予定のある方は、ぜひ普段とは違ったエッフェル塔を見てみてはいかがでしょうか。
執筆:Daisuke