7月5日、パリ市議会で今年の9月からパリ市は市営施設やイベントに使用するストローの購入禁止を決議しました。
9月から段階的に、パリの市営施設から
パリ市は今年の9月から、市営施設やイベント用のプラスチック製ストローの新規購入を段階的に禁止します。
パリ市の助役アントワネット・ギュール(Antoinette Gühl)は、「契約の新規更新からプラスチックのストロー購入をやめます。ただし、バリアフリーなどでストローが必要な人たち用を除きます」と発表しました。今回の禁止は「パリを実験の場」にすることで決議され、民間には拘束力はありませんが、今年の秋から市内のレストランやフェスティバルの主催者などに向け、ストローの提供を控えるキャンペーンを展開します。
パリプラージュ、来年はストローなし
今年は7月7日(日)からスタートする、毎年恒例のパリプラージュ(Paris Plage=セーヌ川岸をビーチにするイベント)ですが、来年からはフードスタンドなどからストローが消えることになります。
また、今年からパリ市はこのイベントを利用して、「プラスチックストロー撲滅」のアピールをしていきます。
1日800万本のストローが廃棄
非営利団体バ・レ・パイユ(Bas les pailles)はプラスチック製ストローの禁止を求め、すでに15万の署名を集めています。
創設者のムニア・エル・コトニ(Mounia El Kotni)はサイト上で、「プラスチック製ストローは、フランスの海岸で回収されるゴミのトップ10に入っています。流出したプラスチックは海洋自然とそこに生息する魚などを汚染し、仕舞にはその魚が私たちのお皿の上にのるのです」と警鐘を鳴らしています。
トップ10の一例: タバコの吸殻、ペットボトル、プラスチックの袋、ポリエステルの切れ端、綿棒
パリで捨てられたストロー、大西洋に
たとえば、パリの道端で捨てられたストローはセーヌ川に流れ落ち、ラ・マンシュ(La Manche)海峡(英仏海峡)を経て、大西洋に流れ出る恐れがあります。プラスチックが海中で風化するまでに何世紀もかかりますが、その間に海中の魚を汚染していくわけです。
2020年から一部の使い捨てプラスチック製品の禁止
フランスではオランド政権時代に法案が可決され、2020年から使い捨て皿、綿棒(棒の部分がプラスチック)、化粧品の中に入れるマイクロビーズといったプラスチック製品の販売が禁止になりますが、なぜかその中にストローが入っていませんでした。
世界中でプラスチックストロー禁止の流れ
ストローの全面禁止をいち早く導入したのは、カナダ西部バンクーバー島にある、人口1900人のトフィーノ(Tofino)という町ですが、大都市では アメリカのシアトル市が初めてで、今年の夏からプラスチック製ストローを禁止します。
イギリス政府も禁止に向けて動き始めており、その他スコットランド、台湾、ケニア、コスタリカなどは、すでに全面もしくは一部禁止を予定しています。
フランス政府、生物多様性保護強化へ
7月4日、エコロジー・持続可能開発・エネルギー大臣(Ministre de la Transition écologique et solidaire)二コラ・ユロ(Nicolas Hulot)は、プラスチックなどの有害物質から生物多様性(biodiversité)を保護する為、「政府はすでに禁止されたプラスチック製品以外にも、12のプラスチック製品を段階的に禁止する法案の討議に入った」と発表しました。
その製品のなかには、プラスチック製のストローやタンブラーが含まれています。
非営利団体バ・レ・パイユ(Bas les pailles)の署名呼びかけページ(change.orgのサイト)はこちら
執筆:マダム・カトウ