フランスに留学したいと考える日本人のほとんどは、パリを留学先としてイメージしていることと思います。実際、語学学校・大学・専門学校のいずれの場合も、パリであれば多数の選択肢があります。
しかしフランスにはパリ以外にも、学生都市と呼ばれる地方がいくつかあります。例えばリヨン、リール、ストラスブール、モンペリエ、グルノーブルなど。そこで今回はあえてパリではなく、地方都市で勉強するメリットについてまとめてみました。
家賃など生活費が安い
地方に留学する一番のメリットは、物価が安いことでしょう。地方の大学からパリに移ってきた友人が口を揃えて言うのは、住宅環境と物価の高さへの不平です。
ある友人は、地方では月400ユーロでまともなところに住めたのに、パリではその半分の広さで月700ユーロも…と嘆いていました。パリとそれ以外の都市での家賃には、少なくとも月数百ユーロの差があるのです。また別の友人は、地方にある実家に帰ると大量の食料品・日用品を買い込んで帰ってくるほどです。
こうして、パリと地方とでは年間数千ユーロもの支出の差が生じます。この差額を長期滞在の資金に充てられると考えると、地方の安い物価は大きなメリットですよね。
フランス人の友達が増え、フランス語が早く上達する
良くも悪くも外国人の多いパリ。土地に馴染むのは容易ですが、パリに住んでいる外国人の中には、人間関係が外国人コミュニティで完結してしまい「なかなかフランス人のお友達ができない」と悩んでいる人も多く聞きます。
しかし地方の大学都市では外国人の比率は下がるので、苦労もしますが必然的にフランス人とのふれあいが多くなります。実際、フランス語の習得は地方で勉強している人の方が速い印象を受けます。
せっかくフランスに来たのに、日本人の友人しかできないのはなんだか残念。フランス人と仲良くなりたいと考えるのであれば、パリはたまの週末やバカンスに遊びに行くところと割り切って、パリから離れるのも一つの選択肢です。
フランスの本質を感じとれる
実際、地方都市は市内のメトロやバス網も充実していますし、TGV(フランスの高速列車)を使ったパリへの交通の便も良いのです。例えばリールであれば1時間ちょっと、ストラスブールも2時間程度でパリに着くことができます。
その際、ぜひ窓際の席をとって、窓の外の景色を見て欲しいと思います。一面のぶどう畑、菜の花畑や放牧された牛や羊、どこまでも広がる大地と空…まるで絵画の中に入り込んだような「フランスの原風景」と言える景色が、深い感動を与えてくれます。
そして、フランスはどこに行っても古い街並みが美しく、食べ物が美味しい!リヨンはまさしく食の都、ストラスブールに行けばアルザス料理、モンペリエは南仏料理…それぞれの土地に美味しい食べ物と、遠い昔に建てられた地方色の残る教会や城などが残っています。
この恵まれた大地と文化多様性こそがフランスの本質であり、地方に行くことで初めて、フランス人が言う「パリはパリであり、フランスではない」という言葉を深く感じることができるのです。
素晴らしい留学を!
パリでも地方都市でも、留学経験はただフランス語や学問を学ぶだけでなく、その土地の言葉や文化に肌で触れることのできる貴重な経験です。皆さんの留学経験が素晴らしいものになりますように!
執筆 Megumi